2014 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害学生向け実技演習リアルタイム字幕支援システムに関する研究
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25350280
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 拓弥 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (10553935)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 聴覚障害 / 情報保障 / 字幕 / 教示支援システム / リアルタイム字幕 / 実技演習 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に基づき,デザイン実技演習を担当する教員が単独で操作することが可能なリアルタイム字幕システムを構築,授業に導入し,定性的な評価を行った. 本研究において開発した演習支援システムは要約筆記等の既存のシステムとは異なり,実演内容と解説内容を完全に同期させ,教示者の意図するタイミングで,実演に対して遅延することなく文字情報を提示することを目的に開発した. 支援システム開発後,学外の専門家に依頼して特別演習を実施し,評価を試みた.特別演習の教示者は漫画やイラストレーションが専門であり,教示経験はなく,聴覚障害学生への実技演習も初めてだったが,演習中のトラブルや誤操作も皆無であった。特別演習は10名の聴覚障害学生を対象に実施し、演習後に質問紙調査を実施した.授業理解度は良好であり,また,聴覚障害学生にとって,実演内容と情報保障の同期性が重要であるとの回答を得ることができた. 成果はICCHP2014(Paris,France)及び第78回福祉情報工学研究会(電子情報通信学会)において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた支援システム開発を終え,実際の授業に導入し,障害当事者である聴覚障害学生の評価を得ることができたことから,おおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
開発した演習支援システムの有用性について,実際の授業において導入し,定性的な評価を行い,十分な成果を得ることができた.一方で定量的な評価は未実施である。平成27年度は視線計測等の定量的な評価を加え,また,疲労度などからシステムの快適性などの評価を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
平成25年度に予定していた機器の購入を平成26年度に実施した.当初,最終年度は論文発表の予算二件のみを計上していたが,視線計測や定量化の手法について,工学院大学大学院工学研究科長嶋研究室の指導を受けるこになったことから,そのための旅費を確保する目的で,ソフトウエア開発を外注せず,計画的に予算を残した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度分として当初計上した予算は当初予定通り執行予定である.次年度使用額として残した予算は,理由に挙げた通り、視線計測や定量化の手法について,工学院大学への定期的な旅費に使用予定である.
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