2014 Fiscal Year Research-status Report
大規模クラスにおける作文教育のためのオンライン相互レビューシステム開発と授業設計
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25350289
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松葉 龍一 熊本大学, eラーニング推進機構, 准教授 (40336227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 真一郎 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80381143)
宮崎 誠 畿央大学, 教育学部, 助教 (60613065)
鈴木 雄清 志學館大学, 人間関係学部, 准教授 (00333253)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | eポートフォリオ / 協調学習 / ピアレビュー / 学習者特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画全体の開発フェーズにあたる本年度は、前年度行った開発システムの仕様を踏まえ、ピアレビュー補助システムのプロトタイプ開発を進めた。併せて、同システムを用いた授業実践を効果的に進めるための授業設計、学習プログラム開発、そのための調査・検討を精力的に進めた。 e ポートフォリオを取り入れた事業実践における海外先進事例調査を本年度は、3校(米国 ミネソタ州立大学 ダルース校、仏国 南ブルターニュ大学、英国 ソレント大学)行い、eポートフォリオが学生の自己効力感増進に寄与するための効果的な実践手法、初年次教育提供のための体制作り、そのための手法を学んできた。同校で活用されている学習支援資料等の提供を受けたことは大きい、また、ミネソタ州立大学 ダルース校では、本研究の研究協力者である Paul Treuer、Jill D. Jenson両氏とのミーティングを持ち、本研究に対する専門家レビューを受けた。 合わせて、前年度まで成果をまとめ国際学会での成果発表も3件行い、本年度の調査研究報告として、国内学会、研究会等で成果公表も行った。また関連学会主催のワークショップへも積極的に参加し研究チームとしての知見、知識の増進にも努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、前年度の整理・検討を踏まえて確定したピアレビューを想定したオンライン協同学習支援環境、特に、ピアレビュー補助システムのプロトタイプ開発と、大学初年次科目、特に、作文教育(対面方式)授業へ、ピアレビューを取り入れた授業改善のための調査、テストを中心に本研究を進めてきた。研究計画はおおむね順調に進んでいるが、プロトタイプ開発の進捗が若干遅延となっている。本研究プロジェクト終了後には、開発したシステムを国内外の教育実践者に向けて公開予定であるが、本研究成果をより広くの実践者に伝えかつ、容易に利用できるようにするために、システムを既存のオープンソースLMSのモジュールとして開発することに決定した。前年度の予備調査・開発の段階から同オープンソースLMSのバージョンアップがなされたために、再調査とある程度の仕様変更を余儀なくされたたことが遅延原因の1つである。また、ピアレビューを取り入れた授業改善のための調査において、協調学習/ピアレビューの実践は多くの面で高い学習効果を得るが、場合によっては、学習者のモチベーション低下に繋がることが予想されると分かり、それらに関するより深い知見とデータを得るために時間を割いて調査研究を進めたことも遅延原因の1つである。 e ポートフォリオ活用、学習プログラム開発に関する海外の先進事例調査を行い、本研究プロジェクト終了後に国内の教育実践者各位と広く情報共有すべく情報の蓄積、海外先進校関係者との関係構築に努めることも本研究の目的の1つであるが、海外研究協力者のサポートもあり、本年度は、想定以上の研究者との交流、情報提供を受けることができ、そこで得た情報を国内関係者へ提供できた点は計画以上の成果であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本研究プロジェクトの最終年度にあたり、実践、形成的評価と公表にあたる年度である。そこで、これまで以上に研究チーム内での連絡・情報共有を密に行い、少なくとも、月1回以上の頻度でミーティングを持ち、実施・公開のための準備を進める(1)ピアレビュー補助システムと既存のオープンソース学習支援システムとの有機的連携実現のためのシステム。(2)小規模クラスを想定し、ピアレビューを効率良く行うためのレポート配送・回収補助システムのプロトタイプシステム開発。(3)研究分担者の下で、開発したピアレビューシステムの小規模実践利用(形成的評価)を行い、大規模クラスでの運用に必要なシステム設計ポイントを洗い出しと教育プログラム開発及び、その実践的評価に注力する。
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Causes of Carryover |
海外の先進的なICT活用教育実践機関では、ICTを活用した学習支援のための研究、実証実験が精力的に進められている。最新の学習支援環境の動向調査を積極的に行い、その調査報告、事例紹介を国内の研究者との意見交換を踏まえた情報共有が非常に重要である。申請旅費はそれらの実施のために必要である。本年度計画では、小規模実証実験(形成的評価)の実施予定であるが、近年の学習者にとり身近な学習支援端末として、携帯用移動端末(NotePCを含む)が考えられる。現状と今後の学習環境に即した実証実験の実施、システム開発支援環境の整備等の購入のための消耗品購入費が必要であり、システム開発補助、形成的評価における学生他の補助等において謝金は利用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外事例調査及び、海外研究補助者との打ち合わせと、成果報告のための海外旅費を使用する。国内旅費は、本研究における調査報告・事例紹介、国内の研究者との意見交換、成果報告のために使用する。また、前年度得られた成果を国内外の学会、研究会において報告においても本研究旅費を利用する。本年度実施する小規模実証実験(形成的評価)における実施環境の整備のために本経費を利用する。
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Research Products
(4 results)