2013 Fiscal Year Research-status Report
大学生の学力多様化時代における初年次物理教育の授業内ICT学習支援
Project/Area Number |
25350291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
穴田 有一 北海道情報大学, 経営情報学部, 教授 (00151085)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 確認テスト / テスト特性 / マークカード / moodle / リアルタイム採点 / 採点結果のデジタルデータ / 振り返り |
Research Abstract |
平成25年度の研究計画にもとづいて研究を進め,以下の成果を得た.(1)確認テストの特性について検討を進めた.その中で,固有値曲線が分析条件を満たしていないテストがいくつかあった.これらのテスト問題については,受験者のテストデータの積み重ねが十分ではない可能性があるので,テストデータをさらに蓄積する必要がある.(2)学修管理システムmoodle上に,これまで紙およびマークカードで実施してきた確認テストを移植した.物理学Iは22回分,物理学IIは24回分という相当な数の確認テストが対象であったが,計画通りこれら全てをWeb上で実施できるようにした.これにより,学生が確認テストを実施するごとにリアルタイムで採点結果がデジタルデータとして蓄積できるようになった.システム構築が順調に進んだため,一部の受講学生の協力を得て実際の授業でもこのシステムの操作性などを3回試験運用し,システムの改善点を確認した.試験運用では携帯情報端末を数種類利用したが,もっとも重要な性能の違いは電池の持ち時間であることが分かった.この点ではiPadの性能が他機種を大きく上回っていることが分かった.(3)確認テストの採点結果をリアルタイムで確認しながら,受講学生がコメントを入力し,教員がコメントして学生の「振り返り」を支援する機能を構築した.これについても,数名の受講学生の協力を得て試行することができた.(4)研究成果を情報発信するためのホームページの構築を進めフレームは完成し,現在はコンテンツの作成を進めている.ホームページの構築は研究成果の公開に向け平成26年度も継続して実施する.また研究結果の公開としては,このほかに平成25年度の研究成果を第69回日本物理学会年次大会において,講演題目「大学初年次物理教育における基礎知識定着の工夫」として報告した.また関連する研究成果を本学紀要論文として報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究内容は,上記「研究実績の概要」にまとめた(1)~(4)の4項目である.各項目については計画以上に進んだ項目,計画通りに進まなかった項目等があるが,全体としては,概ね計画通りに進めることができた.以下,これら4項目それぞれについて,達成度を自己点検する.(1)確認テストの特性について検討を進めたが,幾つかのテスト問題の特性については,受験者のテストデータの積み重ねが十分ではない可能性があることが明らかになった.そのために,平成25年度には十分な分析ができなかったので,平成26年度のテストデータを加えて検討を継続することとする.(2)学修管理システムmoodle上に,これまで紙およびマークカードで実施してきた確認テストを移植した.これについては,計画通り全てのテスト問題をWeb上で実施できるようにした.この項目については,システム構築が順調に進んだため,平成26年度計画を一部前倒しして,システムの操作性などの試験運用を授業の中で3回試行した.これにより,平成26年度の授業での試行準備が順調に進められた.(3)確認テストの採点結果に対する「振り返り」支援機能も確認テストの構築と同様に順調に進んだため,平成26年度計画を一部前倒しして授業の中で3回試行した.これについても,平成26年度の授業での試行準備が順調に進められた.(4)研究結果を情報発信するためのホームページの構築は概ね順調に進んだが,コンテンツの作成がやや遅れているため,公開までは至っていない.ホームページによる情報発信は平成26年度も計画しているので,この計画を実施する中で,平成25年度の遅れを取り戻すこととする.また,学会での成果発表は,計画通り実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究が概ね順調に進んだので,平成26年度以降についても当初の計画に沿って研究を進める.すなわち,平成26年度は,平成25年度にmoodle上に構築した確認テストおよび「振り返り」のWebシステムを授業の中で試験運用し,従来の紙ベースの方式と比較した分析を行う.また,平成25年度に完了しなかったテスト分析を継続する.なお本学では,大学の施策として平成26年度から急遽1,2学年次学生にiPadを貸与することとなったため,多くの本研究該当科目の受講生がiPadを利用する環境が整った.平成26年度の物品購入は,この状況の変化に対応することとする.平成27年度は,研究成果のまとめと成果発表が主になるが,平成26年度の研究結果によっては,引き続きシステムの改善および授業での試験運用をおこなう.具体的には,以下のような検討を行う.〔平成26年度〕(1)確認テストの問題を改善するために,テスト結果のデータをさらに蓄積し分析を進める.(2)確認テストおよび「振り返り」のWebシステムを授業の中で試験運用する.従来のマークカードを使用した場合と,携帯情報端末からWebシステムを使用した場合の学習効果を分析する.(3)平成25年度に引き続き学習ポートフォリオの構築を進め,授業での試験運用を開始する.この場合にも携帯情報端末を利用することになる.これにより,携帯情報端末を利用した場合と使用しない場合の比較検討を行う.(4)本研究で検討する学習支援型授業モデルが有効な学生の学力範囲を明らかにする検討に着手する.(5)研究結果を情報発信するためのホームページの構築と情報発信を継続する.また,学会等で研究成果の公表を行う.〔平成27年度〕本研究で検討する学習支援型授業モデルが有効な学生の学力範囲を明らかにするとともに,平成25年度から平成26年度までの研究成果をまとめ,国内外で発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の納期が年度末に間に合わなかったため,翌年度の購入とした. 出来るだけ早く購入する.
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