2013 Fiscal Year Research-status Report
英語力下位層を対象とした思考力を育成する英語学習プログラムの開発
Project/Area Number |
25350294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kunitachi College of Music |
Principal Investigator |
中西 千春 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (30317101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 穂高 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00567399)
間中 和歌江 東京純心女子大学, 現代文化学部, 准教授 (50386794)
三宮 真智子 大阪大学, その他の研究科, 教授 (90170828)
若山 昇 帝京大学, 法学部, 准教授 (90439589)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 思考力 / 英語力 / 英語力下位層 / CLIL型学習 / 教材開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は,英語力下位層の学生のために,英語力と思考力を統合して育成する英語教材およびその教師用マニュアルを設計することである。近年,ヨーロッパの一般的な学校で行われているCLIL(内容言語統合)型学習は,科目知識・語学力・思考力を統合して育成すると言われている。このために,平成25年8月に,CLIL型学習の教員セミナー(Norwich Institute of Language Education)に参加し,低次の思考力と高次の思考力の育成を組み合わせた教材デザインと授業デザインの方法を学んだ。また,セミナーの担当教師,スペイン・バスク在住の教材開発者・CLIL型学習教員養成者のPhil Ball氏をインタビューする機会を得た。Ball氏のインタビューと著述から,下位層を対象とした授業に CLIL型学習を導入する可能性と限界を考察することができた。平成26年2月には,Ball氏と,セミナーに参加していたイタリアの2人教師の勤務する工業高校(サルディニヤ)を訪問した。バスクでは,Ball氏の全面的な協力を得て,CLIL型学習を実践している5つの学校の7つの授業を視察し,教員・校長・行政担当者・教材作成者・教員指導者のインタビューを行うとともに,生徒対象にアンケートを行った。このバスク地方調査により,子供たちの母語,スペイン語,英語の3言語(または4言語)の習得は,カリキュラム,教材,教員養成,学校・授業運営,評価が統合することで成立していることがわかった。イタリアの高校では,4日間のCLIL型学習集中講座を視察し,授業運営,評価法,CLIL型学習導入の課題・問題点を探った。また,同2月に,東京都渋谷区の公立中学校で,実技科目(音楽)を英語で教える授業を視察するとともに,全校生を対象に実技科目を英語で学ぶことについての意識を質問紙調査で問うた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度にタスクを行う時に求められる思考力を分析し,学生が考えたくなるトピックの質問紙調査,平成26年度にヨーロッパでのCLIL授業視察,CLIL教師のインタビューを行う予定であった。平成25年度内に,タスクを行う時に求められる思考力をCLIL型学習の教材と授業を中心に分析し,ヨーロッパでのCLIL授業視察,CLIL教師のインタビュー,日本の中学校の授業視察,質問紙調査を行った。CLIL型学習が思考力育成を重視しているため,平成25年度の研究の中心が,CLIL型学習の授業視察,教師インタビューとなり,ある程度の成果を得たが,平成25年度の計画で,学生への質問紙調査を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
・これまでの研究は,思考力育成を重視ているCLIL型学習の授業視察,教材分析を中心に行ってきて,ある程度の成果を得た。今後も,CLIL型学習の分析・研究をとりいれながら,英語力下位層を対象とした教材開発を行いたい。 (1)思考力を育てる教材・授業分析 日本の中学・大学およびイタリア・スペインのCLIL型学習中学・高校授業視察 (2)国立音楽大学・帝京大学・東京純心女子大学などの学生(200人程度)に考えたくなるトピック・興味があるトピックを質問紙調査・インタビュー調査
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の繰越額は106,556円である。研究計画上、平成25年度に1回としていた海外での実地調査に2回行くことが決まり前倒し請求を行ったが、経費が予想を下回ったため繰越額が生じた。中西穂高先生の分担金250,000円が未使用であるが実際は平成25年度にスペイン研究旅費として使用している。間中和歌江先生と三宮真知子先生の分担金各50,000円は旅費に充てる計画であったが、時期をずらしたため未使用となっている。 研究代表者の繰越額は海外研究旅費として使用する予定があり現在計画中である。 間中和歌江先生と三宮真知子先生の分担金各50,000円は平成26年度に旅費及び書籍代として使用する予定がある。
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