2016 Fiscal Year Annual Research Report
English Language Program Development in Building Cognitive Skills for Japanese College Students of Lower English Proficiency
Project/Area Number |
25350294
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Research Institution | Kunitachi College of Music |
Principal Investigator |
中西 千春 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (30317101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 穂高 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00567399)
間中 和歌江 武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (50386794)
三宮 真智子 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (90170828)
若山 昇 帝京大学, 法学部, 准教授 (90439589)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 英語力下位層 / リメディアル教育 / 思考力 / 思考プロセス / ブルーム改訂版教育目標 / 発問 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,英語力下位層の学生のために,英語力と思考力を統合して育成する英語学習プログラムを開発するための基礎研究を行うことである。まず,内容・言語・思考・協学を統合して教えるCLIL型学習において,ヨーロッパの中学・高校ではどんな思考力が育成されているかについての現地調査を行った。CLIL型学習,特にSoft CLIL型学習の課題は,教材の発問・アクティビティのデザインと教師の力量に依拠していた。この課題を解決するためには教材開発と教師養成を進めることが重要である。次に,テキストの発問に注目した。下位層向けのリーディングテキストの発問をブルームの改訂版の教育目標の分類(6つの認知プロセスと19のサブカテゴリー)から分析したところ,約80%がRemember:Recognizing(事実確認)であることがわかった。答えを本文から抜き出す発問を主にするのでは,授業が単調になる可能性がある。このため,教師が他の認知プロセスとサブカテゴリーを促す発問を適切に補う必要がある。さらに,筆者の勤務する音楽大学において,演奏系の科目(声楽とピアノ)において,どのような思考力が育成されているかについて実態調査を行った。この結果,教師が学生に働きかける認知プロセスは,科目や担当者により異なったが,共通するのはEvaluateとCreateへの働きかけが少ないことであった。研究開始当初は,学生の興味を引くトピックで平易な英文でテキストを作成することを目指していたが,科目を超えた調査研究により,使用するテキストによらず学生の思考を促す教師の「発問」が重要であることが明確になった。今後,発問を通じた思考力育成の授業を考案するとともに,「ブルームの改訂版の教育目標の分類」(Anderson et al. 2001)を教師がより理解し,活用することを提案する。
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