2013 Fiscal Year Research-status Report
産学連携によるアクティブラーニングシステムの構築とその成果評価法の研究
Project/Area Number |
25350297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
小林 猛久 和光大学, 経済経営学部, 准教授 (40434211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺間 正通 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (60262797)
小林 稔 和光大学, 経済経営学部, 教授 (50287926)
杉本 昌昭 和光大学, 経済経営学部, 准教授 (90318725)
西岡 久充 龍谷大学, 経営学部, 講師 (10513757)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 産学連携 / 地域の活性化 / 人材育成 / インターンシップ / アクティブラーニング / キャップストーン プログラム |
Research Abstract |
地域の企業や市民団体等と大学が、直面する課題を解決するプロジェクトを推進しながら、人材育成を行うシステムの構築とその成果を客観的に行う手法の研究を実施した。この成果をまとめることにより、社会と教育現場が融合した人材育成システムの構築や地域の活性化への貢献を実現することは、実体験型の学習スタイル・アクティブラーニングの有効性を示すために大きな意義を持つ。 具体的には、川崎駅東口にあるパレール商店会の活性化支援を1年間通して実施することにより、日本の多くの大学等で行われている短期のインターンシップでは養成することが難しい、経営的な総合力や実践力、財務管理力などを養成する手法の実験と評価を行った。その全体は、従来から運営されている4月花まつり、10月「いいじゃんかわさき」に関する新たな工夫や運営サポートの立案と実施、8月カレーフェスタ、1月クラフト市という、オリジナルイベントの立案と提案・実施という年4回のパレール商店会の活性化支援である。そして、その成果を財政、動員観客数、FBによる「いいね」反応や来場者アンケート結果などをもとにして評価し、それを3月の川崎異業種研究会にて報告した。 学生への教育効果として、業務運営上のコミュニケーションにおいて、言葉使いが不適切、表現が曖昧であるという苦情や見積書や積算書の計算間違いなどの指摘を厳しく受けた後には、自ら他者評価を入れる重複チェックの導入や入念な受け答えの練習などを行うようになり、二度と同じ過ちを繰り返さないようにしょうという意識や姿勢が見られたことが挙げられる。 今後は、この学生たちの変容を客観的に評価できる指標を作成し、その成果を示すとともに、より多様な実験を繰り返すことによって、その精度を高める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年間を通じた産学が連携したプロジェクトを実施することにより、学生の実践力や総合力を養成するために必要なプロジェクトを、PDCAサイクルを繰り返すことによってより教育効果を発揮できるように構築することができた。 また、このことにより、インターンシップも含めた実体験型の人材育成の手法は、より長期であることがその有効性を発揮しやすいこと、無報酬ではなく活動結果(提供する労働力や専門技術・知識)に見合った報酬を授受することにより、学生側と受け入れ側の双方がリアルなビジネスとしてプロジェクトを捉えることになり、確実な教育効果や継続的な連携の実現を果たし、最終的には学生の具体的な就職に結びつくシステムとなることやその必要性についても明らかになった。 このことは、韓国における産学連携先導大学事業の調査・研究やシンガポールにおけるインターンシップの実態調査において明らかになった、職業に直結するインターンシップの重要性や大学を取り巻く地域の中小企業を活性化する職業教育や実体験型人材育成プログラムの具体的効果からも裏付けをすることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの活動により、1年間を通じた長期的な実体験型人材育成プロジェクトの教育成果の大きさについて具体的事例を得ることができた。今後も、この活動を継続し、より多くの事例を集めることにより、その内容の制度を高める計画である。 また、学生たちの変容に関して客観的な成果を計測できるスケールの作成、または既存のスケールの吟味を行い、最終的には本研究成果を科学的なデータによって公表することを目指すものである。 幸いなことに、産学が連携した人材育成や地域を活性化するプロジェクト実施に関する企業や市民団体・行政などからの反応が良く、十数件に及ぶ連携依頼が届いているが、その一方で、共同研究者が行える対応には限界があるとともい、この連携を担う学生が圧倒的に不足していることから、より多くの具体的事例から研究データを入手できるように、学内外の他の研究プロジェクトとの連携も模索しながら、さらなる研究者や被験者となる学生を募集していきたいと考えている。 また、地域の中小企業における就職に直結するインターンシップや、より高い教育効果や継続的な連携を実現する報酬型インターンシップについては、日本における成功事例が少ないので、昨年調査した韓国やシンガポール以外の事例を東南アジア諸国を中心とした諸外国にもとめ、そのメリットデメリットを調査し、日本へのどのような導入がふさわしいかに関する研究も実施する必要がある。
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Research Products
(2 results)