2014 Fiscal Year Research-status Report
リフレクション支援装置による美術館教育への解釈共有フェーズの導入と評価
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25350299
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
安藤 公彦 東京工科大学, 片柳研究所, 助教 (00551863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 竹俊 東京工科大学, 教養学環, 教授 (10386766)
井上 智史 駿河台大学, 人文社会・教育科学系, 助教 (70339547)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 美術館展示 / 鑑賞方略 / グループ展 / ユーザインターフェイス |
Outline of Annual Research Achievements |
リフレクション支援装置のユーザーインターフェイスの設計と実装を行った。作品の注目点にタッチを促しタッチした場所を記録し、タッチ後にそれまでの履歴を表示することで、他者と自身との注目点の違いを表現する。 タッチパネルが安価になったことから、既存のタッチパネルでも十分効果的な表現が可能であると考え、液晶タッチパネルを利用する方式へと装置の見直しを行った。下記展示計画で展示する作品がさほど大きくなかったことから、23インチの液晶ディスプレイを用いて、実際の作品サイズに近い形の装置とした。ただし、2m超の巨大なディスプレイは実現が難しいため、エリアセンサでの実現も継続する。 2015/03/17に情報処理学会全国大会にて「美術館教育のためのリフレクション支援装置の開発」という題目で、解釈共有フェーズおよびリフレクション支援装置の意義とその実現方法について発表を行った。 本研究の実証実験のため、絵画および写真のグループ展を行うこととし、その展示計画とその準備を行った。グループ展は銀座のギャラリーを一週間借り、200名程度の集客を見込み、作家の選定および作品の選定を行った。作家は5人で抽象画、具象画、写真というように、バラエティに富んだグループ展とし、作品の傾向により、どのような入力がなされるのかを調査する予定である。日程は、2015/4/20~4/25であり、現時点でこの実証実験は実施され無事に終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エリアセンサを用いたリフレクション支援装置の実装におけるタッチの認識の誤差が大きく、その代案として、液晶タッチパネルでの実装を並行して行ったため、全体的に遅れが出ている。だが、2015年4月の段階で一般人を対象としたグループ展での実証実験が完了しており、そこから得られたデータによって、リフレクション支援や解釈共有に有効なユーザインターフェイス設計への足掛かりとできる。また、グループ展での展示は、実際の美術館への装置設置のための実績づくりでもあり、大規模な実験へと繋がるものである。 ユーザーインターフェイスが確定したことと、その実験結果から、エリアセンサを用いた装置での実装も十分可能であるとの見通しがたったため、装置開発自体の遅れも十分取り戻すことが可能であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
グループ展による実証実験の結果から得られた解釈共有やリフレクション支援の知見について、海外発表および論文投稿を行う。 同時にその知見から、ユーザインターフェイスの改良および追加を行うこと、またエリアセンサによるリフレクション支援装置の開発を行うことで、さらに大規模かつ繊細な解釈共有を目指す。 最終的には、2015年度中の美術館での展示を目指す。
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Causes of Carryover |
2015年4月の展示のための液晶パネル、UI開発費、人件費等の費用が4月の支払いのため40万程度分、繰り越している。また、エリアセンサによる装置開発の遅れのため、エリアセンサ代金(40万程度)を繰り越している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年4月の展示費用として約40万、エリアセンサおよびプロジェクタ購入費用として約40万円、海外発表に約30万、論文投稿に約15万、2回目の展示の費用に約30万を見込んでいる
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