2013 Fiscal Year Research-status Report
グローバルな協同表現活動による学びの場の構築のための理論と実践の統合
Project/Area Number |
25350302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
宮田 義郎 中京大学, 工学部, 教授 (00239419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 泰 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (00272188)
上芝 智裕 中京大学, 工学部, 准教授 (30340186)
上田 信行 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (80122141)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | グローバル・コラボレーション / 学習環境デザイン / ワークショップデザイン / プログラミング学習 / 日常の道具のデザイン / 地域連携 |
Research Abstract |
宮田義郎(中京大学)は、協同制作による実践の参与観察データの分析の結果「Create/Connect/Open」デザインモデルの妥当性を確認し、その成果は3つの国際学会と、2つの学会誌論文で発表した。これらの成果を踏まえ海外4箇所での現地ワークショップ、また約30カ国からの参加による3つのオンライン協同制作プロジェクト、地域の施設や団体との協同によるワークショップを実施した。 原田泰(公立はこだて未来大学)は、 「函館」という地域の特性をふまえつつ、街の中に活動拠点を設けて地域の価値を変容させていく試行的な実践として、学生と地域の人々、特に子どもとの交流の場を街の中に創り出す、というコンセプトで、「プログラミング×デザイン」というテーマのもと、1.子ども向けプログラミングワークショップの開催、2.デジタルメディアを活用した人形劇公演、3.プログラミングワークショップ研究会を開催した。 上田信行(同志社女子大学)は、5つの実験的ワークショップやイベントの実践を基に、学習モデルLEARNING 3.0を構築した。興味がモティベーションをドライブするInterest-Driven Learningによって、学びが拡張・深化するということ、また学び手が自分の表現を創造(create)し、他者と接続(connect)し、パブリックの場で公開(open)し、より広い人や文脈と交流をするという「 Create/Connect/Open モデル」であるということを明らかにした。成果はコンセプトムービー、WEBサイト上でのインタビュー記事として発表した。 上芝智裕(中京大学)は、中京大学の講義におけるScratchやLEGO WeDoを活用した学習環境の実践的研究および、愛知県でのWorld Museum Projectのワークショップの実践や広報を担当した。その成果は、国際会議で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は研究分担者の協力により、愛知地区、関西地区、函館で多くの実践活動を行うことができ、海外でもスペイン、デンマーク、ラトヴィア、タイ、香港などでの実践活動や現地の研究協力者との情報交換を行なった。それらの実践活動での参与観察や分析により、構成的マインドセットに基づく「Create/Connect/Open」モデルの検証と、さらなる精緻化の可能性および実践の方向性について幾つかの知見が得られた。その成果を幾つかの国際学会や国内の論文誌、ウェブ上で発表することができた。また、これらの実践活動から、海外と国内のパートナーの連携を強め、さらに10カ国以上から新たなパートナーを加えて実践のネットワークを拡大することができた。これらの成果から、研究目的である「理論と実践を相互に発展させて循環させる」研究活動を軌道にのせることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実践面では、実践ネットワークの充実、特に、地域のネットワークの充実、国内の連携の構築、地域と海外との連携を強化する。新しい方向性として、日常の道具のデザインの研究を海外の連携研究者とも共有し、協同制作の実践にも結びつける。 理論面では、個人レベルの異文化連携モデルと、個人からコミュニティーレベルをつなげるCreate/Connect/Openモデルを統合する。従来検討してきたフロー理論、マインドセット理論に加え、PBLやMBLとの関連についても視野を拡げる。新しい視点として、進化論的視点から日常の道具のデザインを見直す新しいデザイン原理の研究を進め、Create/Connect/Openモデルもその一環として位置づける。そのために、アージ理論や認知的進化の理論との関連付けも検討する。 実践と理論の連携では、開発してきた協同制作手法と実践モデルをより緊密に関連付ける。実践のネットワークの中で、上記のような理論/実践モデルを共有し、議論を深める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者である宮田義郎(中京大学)は、国内での研究会の旅費で支出を予定していたが、個人研究費に余裕があり使用し、当該の助成金は使用しなかったため、残高は次年度に使用することとした。 研究分担者である上田信行(同志社女子大学)は、バルセロナでの国際会議(Scratch@Barcelona 2013)の旅費で支出を予定していたが、費用が予算額より大きくなったために、旅費は別の予算から支出し、当該の助成金からは支出しなかった。助成金の一部は物品費などに充てたが、残額は次年度に使用することとした。 国際会議(Scratch@MIT 2014)の旅費として次年度分と合わせて支出する予定である。
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Research Products
(10 results)