2013 Fiscal Year Research-status Report
講演および講義における話し手と聞き手の動作の分析に関する研究
Project/Area Number |
25350308
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
渡邊 栄治 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (20220866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾関 孝史 福山大学, 工学部, 教授 (40299300)
小濱 剛 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (90295577)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 講義 / 講師 / 受講者 / 動作 / 分析 |
Research Abstract |
講演における情報伝達は,話し手と聞き手の間におけるコミュニケーションおよび話し手と聞き手自身におけるコミュニケーションに大別できる,それらの情報伝達機構を定量的にモデリングすることは重要な研究課題である. 本研究課題における研究目的は,「講演や講義における話し手と聞き手間のインタラクションにおいて,話し手による動作と聞き手による動作の間に存在する関係を抽出するための手法を構築する」ことである.研究目的に対して,平成25年度は, 2つのサブテーマ「話し手および聞き手の動作における特徴量の抽出」,「話し手および聞き手における intrapersonal communication の分析」に取り組んだ. その結果,以下の研究成果を得た.まず,「話し手および聞き手の動作における特徴量の抽出」に対しては,画像処理に基づいて,話し手の顔領域を構成する画素数や頭の位置および聞き手の顔領域を構成する画素数に基づいた特徴量を抽出するための簡便な手法を構築し,複数名の話し手および聞き手を対象とした実験により,その有効性を確認した.つぎに,「話し手および聞き手における intrapersonal communication の分析」においては,話し手と聞き手における支配的な動作を,時系列モデルにより分析を行った.ある講演を分析した結果,(i) 講演のメインとなる内容において,板書と説明が頻繁に繰り返されることから,話し手による動作が支配的となる時系列モデルが表れていないこと,(ii) 複数の聞き手による動作が,支配的な時系列モデルによってモデル化できることが示された.このことにより,複数の聞き手の間において,ある種の同期現象が生じていることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は, 2つのサブテーマ「話し手および聞き手の動作における特徴量の抽出」,「話し手および聞き手における intrapersonal communication の分析」の実施を計画した.両者に対して,手法の構築,実験の実施,外部発表を行うことができている,概ね順調に進展していると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,平成25年度に得られた成果を基にして,以下に示すような方策により,「話し手と聞き手の間における interpersonal communication の分析」に取り組む予定である.講演や講義においては,話し手の動作が聞き手の動作に多大な影響を及ぼすことがある. そこで,平成25年度に得られた手法に基づいて,話し手の動作を入力,聞き手の動作を出力として,両者の関係に対するモデリング手法を構築する,さらに,実際の講演や講義に適用し,構築したモデリング手法の有効性を定量的に評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2014年1月に開催された国際会議において,研究成果を発表する予定であったが,当地の情勢により発表を取り下げたために,旅費に関して執行額が予算に較べて少なくなり,次年度使用額が生じた.. 2014年4月以降,研究成果を,適切な国際会議において発表するために,「次年度使用額」を執行する予定である.
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Research Products
(5 results)