2014 Fiscal Year Research-status Report
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25350310
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
西森 章子 広島修道大学, 人文学部, 研究員 (50294012)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 根拠産出トレーニング / プランニング / 意見文生成 / 中学生 / 高校生 / 大学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,実践研究と実験研究の2つが進められた. 実践研究:「根拠産出トレーニング」を組み込んだ授業が,中学生15名(6月,奈良県),高等専門学校生86名,(7月,兵庫県),大学生54名(6月,広島県)を対象に実施された.その目的は,(1)「根拠産出トレーニング」が中学生など他の発達段階の学習者に実施可能かどうかを検討すること,(2)「根拠産出トレーニング」が,文章生成過程に及ぼす影響を検討すること,の2点であった.結果,まず,本トレーニングは,中学生あるいは大学生を対象としても実施可能なことが示された.例えば,参加者からは「何回も考えていると自然に増えたからびっくりした(中1男子)」,「自分の意見と反対の意見も考えられるということに不思議に思った(中3女子)」といった反応があった.次に,トレーニング後に,「作文プランニング課題」を実施したところ,自分の主張に対する理由の数だけでなく,自分とは異なる主張に対する理由の数にも増加が見られた.これより,「根拠産出トレーニング」によって,自分の立場への過度な補強(自分の意見への偏り)が低減されるのではないかと考えられる. 実験研究:「根拠産出トレーニング」と他の発想支援介入(連想法)と比較することを目的として,大学生55名(1月,京都府)を被験者として実験がおこなわれた.その結果,連想を促すトレーニングに比べ,根拠産出トレーニングによって,根拠を考える力がより促進されることが示された.このとき,トレーニングの特徴の一つである「他者の産出した根拠例を読む」において,呈示される根拠例の質(説得力の高低)が,根拠産出に影響するのかどうかが検討された.分析の結果,呈示される根拠の質は,産出される根拠の数に影響しないことが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実践研究の観点からは,中学生から大学生まで,さまざまな年齢層の学習者から見て,「根拠産出トレーニング」が理解可能であり,また実際に取り組むことによって,自身の考えを表現する力,自身の考えとは異なる立場について考える力を促進することが明らかとなった.これにより,「根拠産出トレーニング」が,自らの主張が核となり,他者の主張も考慮する必要のある意見文生成に寄与することが確認された.また,実験研究の観点からは,このトレーニングが他の介入と比べて,教材として効果的であると言えるかどうかが確認できた.また,「呈示される例の質」が検討されることにより,「根拠産出トレーニング」の構成原理がより明確になったと言える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は「裏づけ発想トレーニング」の開発とその評価,平成26年度は「根拠産出トレーニング」の開発とその評価をおこなってきた.これまでの結果からは,発想支援により,意見文生成時,特にプランニング段階の,学習者の思考に影響をもたらすことが示唆されている.これらの結果を踏まえて,平成27年度は,新たに実践研究をデザインし,その成果を実証する.具体的には,高校1年生を対象として,「根拠産出トレーニング」「裏づけ発想トレーニング」を介して,意見文のプランニング段階にある高校生の思考が支援されるのかどうか,また結果として生成される意見文の量や質に影響が見られるのかどうかを検討する.
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Causes of Carryover |
購入した書籍が,予定金額よりも安価であったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究成果の発表において,使用する.
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Research Products
(2 results)