2014 Fiscal Year Research-status Report
言語聴覚士のための言語機能訓練教材の開発と訓練支援システムの構築
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25350312
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
與那嶺 尚弘 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 准教授 (00259805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 実緒 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 准教授 (70515139)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 言語機能訓練支援システム / 失語症 / 言語聴覚士 / Androidアプリ / リハビリ教材の電子化 / タブレット型端末 / 可視化 / 共有化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度の研究環境の整備により計画に沿った研究を行えている。 平成26年度は、研究成果の普及を目的として学会および海外のシンポジウムにおいて口頭発表を3回、ポスターによる発表を2回行った。国内での口頭発表後、研究内容に関する問い合わせが複数あり、現在、共同研究者を含め4つの施設で研究成果の検証や、実際のリハビリテーション(リハビリ)への試験的導入を果たした。 平成25年度は、4種類の「リハビリアプリ」と「カルテアプリ」を開発した。従来は物理的に用意ししていたリハビリ教材や記録用紙を電子的に提供することで、利便性を大きく向上できた。 平成26年度は「リハビリアプリ」の改善・拡張と、Androidタブレットでリハビリ教材を作成する「問題作成アプリ」を開発した。また、利用者向けマニュアルを整備した。 昨年度までに開発した4種類のリハビリアプリは1つのアプリとしてプログラムを作成していたが、新たなリハビリアプリの開発に支障が出た。そこで、4つのリハビリアプリに分離し、リハビリアプリを自動的に識別してパッケージ化する「ランチャーアプリ」を開発した。それにより新たなリハビリアプリの開発が容易となり、今年度は「長文呼称アプリ」を開発できた。また、パソコンの操作が苦手な方でもリハビリ教材を簡単に作成したい、という要望があり、Androidタブレットで画像作成と問題作成を容易に行える「問題作成アプリ」を開発し、試験的な導入ながら高い評価を得ている。 本システムはリハビリ教材を電子化することにより、より多くの方に利用しやすいリハビリ環境を提供したいと考えている。失語症のリハビリにはイラストや画像を使用することが多いため、二次配布可能なイラストが不可欠である。そこで、平成26年度は二次配布可能な24種類のイラストを作成し、本システムに搭載可能な420余りのリハビリ教材パッケージも作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は研究計画に掲げた「音声記録機能および音声再生機能」「スケジュール管理機能」「訓練内容記録機能および訓練結果記録機能」「言語聴覚士とのネットワーク構築」をすべて達成できた。 失語症のリハビリは患者の状態に合わせた教材が必要となるため、リハビリ教材の作成が重要になる。そこで、当初の計画にはない、Androidタブレット上でリハビリ教材を作成できる「問題作成アプリ」を開発した。また、教材の電子化を行ったことによりリハビリ教材の共有化が有効であると考え、二次配布可能なイラストを作成した。 これらの成果により、本システムの利用と導入の敷居を下げることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は研究成果の普及と改善を目的として、平成26年度にシステムを貸与した施設へのアンケートを実施する。また、アンケートやヒアリングを元に「リハビリアプリ」の新規開発を進め、「カルテアプリ」の機能強化を行う。さらに、研究協力者を増やす活動として言語聴覚士のコミュニティへの参加と、研究状況や研究成果を公開するウェブサイトを立ち上げる。
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Causes of Carryover |
当初予定していた謝金の時間数が減ったこと、また、消耗品の価格が低下したこと、などによるものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度もアプリケーションの開発を主として行い、リハビリ教材の電子化とユーザインタフェースの改良を行う。また、開発中のシステムと教材のレビュー等への執行を計画している。加えて、研究成果の周知を目的として学会などでの発表や勉強会の開催等で予算を執行する。
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