2013 Fiscal Year Research-status Report
高専教員を対象としたポートフォリオによる教育改善の検証と継続支援の確立
Project/Area Number |
25350315
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
松本 高志 阿南工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00259938)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ティーチング・ポートフォリオ / アカデミック・ポートフォリオ / 更新ワークショップ / アンケート |
Research Abstract |
連携研究者およびSPOD(四国地区大学教職員能力開発ネットワーク)と連携し、ティーチング・ポートフォリオ作成者への事後アンケート調査の分析を実施した。また、阿南高専においてTP更新ワークショップを開催し、他機関においてはTP作成ワークショップのメンターを5回、AP作成ワークショップのメンターを2回務めて作成者の増加を図った。 事後アンケートにおけるTP更新に関する分析結果を以下に示す。「TP作成に満足しているか」に対し94%が「大変満足」か「満足」と回答している。また、 TPの作成前と作成後を比較すると、 61%が「意識」に変化があったと回答し、 50%が「行動」に変化があったと回答している。これらの結果からTP作成の効用が認められる。一方、活用例として、作成後に読み返したのは40%、 AP作成を含め更新したのは18%に留まり、事後の活用は低調であることがわかる。以上のことより、作成に満足し、作成前後に教育への意識および行動変容を感じていることから、作成後の継続的活用を期待するが、実際は活用が低調だったことがわかる。そこで、更新できない理由を分析すると「忙しく更新の時間がない」「作成したばかり」が71%、「機会がない」が11%となっている。回答者の属性として作成後間も者が多かったことも影響していると考えられる。ここで、「忙しく更新の時間がない」「機会がない」に対しては、集中型のTP更新ワークショップあるいはAPWSを積極的に開催し、その機会を提供すべきである。また、阿南高専におけるTP更新ワークショップでは、「もっと早く更新すべきだった」との意見が多く、3年経つと変化が大きくなり、更新に労力を要するという理由が挙った。これらの理由から「作成したばかり」に対しても1年後のTP更新ワークショップを勧めるべきである。これらは、第20回大学教育研究フォーラムにおいて成果発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、事後アンケートが分析され、また阿南高専における初めてのTP更新ワークショップを開催することができた。作成ワークショップについては他機関のワークショップ支援を複数校で実施できた。四国地区においては弓削商船高専が自前でTP作成ワークショップを開催できるまでに至った。また、旭川高専では初めてTP作成ワークショップを開催することができ、次回は近隣高専との合同開催を検討することとなっている。このように事後アンケートを分析でき、また初のTP更新ワークショップを開催することができたことから概ね計画通りに研究が進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の先進事例を調査し、TP更新ワークショップを開催するとともに、アカデミック・ポートフォリオ作成ワークショップを試行してその知見を蓄積する。今年度はアカデミック・ポートフォリオ作成ワークショップの開催に注力し、実践を通して高専教員に適したワークショップの開発に取り組む。また、引き続き活用事例調査を行い、ティーチング・ポートフォリオ導入の課題と効果について分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
米国学会参加による情報収集に使用しなかったため。 海外の学会参加による情報収集および成果発表を実施する。
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