2014 Fiscal Year Research-status Report
映像表現を学ぶカジュアル・ビデオワークショップの研究
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25350317
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西岡 貞一 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (60436285)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 映像表現 / 学習プログラム / カット割 / 状況説明カット / サイズの組み合わせ / 拡張型電子書籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を構成する3つのサブテーマについて、H26年度の実績を報告する。 「(1)映像表現に関する学習項目の設計」については、前年度の研究成果を基に、「映像制作の基本は複数のカットを組み合わせ, 意図したメッセージを明確に伝えること」として、3つの学習項目を選定した。すなわち「状況説明カット」、「サイズの組み合わせ」、「カット割り」である。 「(2)ワークショップ・プログラムの開発」については、上記学習項目を学ぶ240分間の学習プログラムの提案と評価を行った。開発した映像制作学習プログラムと、学習手法を変えた自習型, 受動型の映像制作学習プログラムを映像制作経験のない大学生・大学院生を対象に実施した。 これは, 能動型の参加者が演習を通じてカット割りを理解し, 複数のカットを組み合わせて表現するようになったことを示唆していると考えられる. 状況説明カットやサイズの組み合わせも理解したことで, 各カットの内容を単純化し, 複数のカットを組み合わせることで表示時間が短くても視聴者に内容が伝わると参加者が理解できたため, 1カットあたりのカットの長さを短くできたからだと考えられる. また, 今回の映像制作学習プログラムは, 120分間×2回という短い期間で実施することできた. この規模であれば, 中等教育における情報科目の授業時間の中で実践が可能であると考えられる. 「(3)映像表現用デジタル教材の開発」については、電子出版や電子書籍に関する文献調査を行った。その結果、映像表現を学ぶための教材としては、紙の書籍のデータを電子化するレプリカ型電子書籍ではなく、映像や音声の表現力を有する拡張型電子書籍が適していると判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を構成する3つのサブテーマのうち(1)学習項目の選定、(2)学習プログラムの開発については、設計を終え、ワークショップの実践を通じて評価を行った。(3)デジタル教材の開発については、プロトタイプの試作に留まっているが、拡張型電子書籍による教材化に向け開発環境の整備を行った。 また、提案手法の有効性評価に向け、映像表現を教える教員3名の協力を得てパフォーマンス評価手法の設計を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるH27年度は、サブテーマ「(3)映像表現学習用デジタル教材の開発」を重点的に行う。学習項目を文章により解説する一方、解説や事例を映像化し拡張型電子書籍を作成する。これと平行し、「反転授業」プログラムを開発し、参加性の高い学習プログラムを提案する。 それらの成果を用いて、ワークショップを実施し本学習プログラムの有効性を実証する予定である。
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Causes of Carryover |
パフォーマンス評価手法の検討を優先し、教材用資料映像の撮影・編集を次年度に繰り下げた。その結果映像制作に必要な諸金等の予算を次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
教材用資料映像の撮影、編集を実施する。
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