2015 Fiscal Year Annual Research Report
映像表現を学ぶカジュアル・ビデオワークショップの研究
Project/Area Number |
25350317
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西岡 貞一 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (60436285)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 映像制作 / 学習プログラム / 反転授業 / 映像教材 / スマートフォン / タブレットPC |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度までに行った映像表現に関する学習項目の選定結果を基に、本研究の目的である、「映像表現を比較的短期間で学ぶための学習プログラム」の開発と評価を行った。対面学習時における学習者の映像制作体験時間を確保するために、反転授業を取り入れた学習プログラムを設計した。今年度は反転授業における講義映像の事前視聴の質を高めるために、講義映像の画面構成に関して最適条件の検討を行った。その結果、講師画面が資料映像中に表示されるPicture in Picture方式が学習者の集中に効果が有ることが示唆された。また、アップとロングの組み合わせや、状況説明カットの使用等カットとカットの関係性についての映像教材を作成し、従来の体験方式と同等の学習支援効果があることを明らかにした。 学習プログラムや映像教材の有効性を総合的に実証するため、既存の映像制作実習授業との比較実験を行った。提案手法として、2年次向け講義科目「コンテンツ概論」において、150分の対面型実習2回、各自による60分の講義映像の事前視聴と授業時間外の約150分の撮影を行った。従来手法として150分の対面型実習10回から構成される3年次向け実習科目「映像表現実習」との比較実験を行った。提案手法により得られた43本の映像と従来手法により得られた39本の映像を映像制作の専門家3名が評価し、ほぼ同等の品質であることを確認した。 本研究では撮影・編集機材としてビデオカメラやPCを使わずタブレットPCやスマートフォンに内蔵されたビデオカメラ機能と編集アプリを使用する撮影ワークフローを開発した。これにより実習における学習者の体験性の向上を実現できた。さらに、従来1500分(25時間)程度を要した学習時間を反転授業と映像教材の開発により510分(8.5時間)に短縮しても同等の学習効果が得られることを示唆する結果が得られた。
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