2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25350327
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡 興造 京都工芸繊維大学, 伝統みらい教育研究センター, 特任教授 (80456904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 泰以 京都工芸繊維大学, 伝統みらい教育研究センター, 教授 (10189615)
後藤 彰彦 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (50257888)
高井 由佳 大阪産業大学, デザイン工学部, 講師 (90626368)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 修復 / 文化財 / 裏打ち / 表装 / 習熟 / 自習 / 伝統産業工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
増裏打ち工程の叩打作業における熟練者の動作の特徴を明らかにするため、27年度は高速度カメラによる撮影および荷重測定を行った。さらに、仕上がったサンプルの剥離試験を行った。 高速度カメラ撮影より、熟練者は叩打を行う刷毛を単純に上下させているのではなく、捻りながら上下動を行っていることが分かった。同時に、刷毛を把持する指が刷毛の捻りと共に角度を変えいた。これらのことは、25年度に実施した3次元動作解析および把持力の測定結果とも合致している。このことより、熟練者は刷毛をしっかりと把持するのではなく、緩やかに把持することで刷毛を柔軟に動作させていることが明確になった。 荷重測定の結果、非熟練者と比較して熟練者は1打の叩打における荷重負荷面積が広く、ある一定の面積をまんべんなく叩打した場合の荷重のばらつきが小さいことが明らかになった。 剥離試験の結果、非熟練者と比較して熟練者のサンプルは場所による剥離荷重のばらつきが少ないことが明らかとなった。 平成25年から27年までの実験結果を踏まえ、非熟練者への教授内容の指針を定めることができた。現在、教授内容に従った指導の効果を検証を実施している。初心者に教授内容に従った指導を行い、8ヶ月後の叩打の様子を追跡した。この結果、刷毛の持ち方や身体の使い方に改善が見られた。叩打作業は数年で急激に上達することが難しい作業であるため、教育効果の検証は今後時間をかけて進めていく。
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Research Products
(10 results)