2015 Fiscal Year Annual Research Report
知識洗練を指向したプレゼンテーション・リハーサルのための統合的レビュー支援環境
Project/Area Number |
25350336
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
岡本 竜 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (60274362)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プレゼンテーション / リハーサル / ピアレビュー / 知識洗練 / 支援環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には,前年度までに開発した統合的リハーサルレビュー支援システムの試験的な運用とその評価,及び,それらから得られた支援方法に関する知見をもとにシステムを一部改良し,それらを研究成果として国内外の学会にて報告した.試験運用においては,関連する大学の研究室における卒論・修論文発表会や学会発表などを対象として複数回のリハーサルを実施し,システムの動作確認と修正,及び,レビューデータの収集と分析を行った.プレゼンテーション中のレビュー作業と参加者全員によるディスカッション,及び,その後のプレゼンタによる改善作業のために開発したツール群はその連携も含めて概ね良好に動作し,本研究が提案する統合的レビュー支援環境のフレームワークにもとづく支援環境の実現性が確認できた.レビュー作業では,実施したプレゼンテーションに関する収録データと,レビュー結果として得られたアノテーションデータをシステムを通じて自動的に収集してデータベース化を行った結果,従来の電子化されていないリハーサルに比較して,より多くの指摘をプレゼンタに対してフィードバックできることが分かった.また,ディスカッションにおいては,プレゼンテーション中に得られた諸データを参加者間で共有しながら指摘内容を整理した上で,プレゼンタの知識が不適切・不十分な箇所については,議論を通じてプレゼンテーション内容を適切に改善するための積極的な支援が可能であることを確認した.一方,当初,アノテーション作成の効率化を図るため,主にスライドに対するアノテーション作成支援を重視していたが,データの分析結果から口頭説明に対する指摘の割合が予想より多いことが分かった.そのため,これまで既存のプレゼンテーション・ソフトウエアの利用を前提としていたが,より積極的な教育的支援の実現には,独自のプレゼンテーション・ソフトウェアが必要であるとの知見も得られた.
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