2013 Fiscal Year Research-status Report
日本を担う人材のコミュニケーションスキル向上をめざす学習コミュニティの構築
Project/Area Number |
25350344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
川本 佳代 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (10264938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂山 渡 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (40314398)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コミュニケーションスキル / 学習コミュニティ / 電子掲示板システム / データマイニング / 文章評価 |
Research Abstract |
本研究では,国際社会,情報化社会の中で日本を担う人材が持つべきコミュニケーションスキル獲得を目的とする学習コミュニティを構築し,その有効性を示すと共に,他者が実践できるよう学習コミュニティの構築方法・学習方法等を提示することが目的である. まず,この目的に特化した掲示板システムを構築する.本年度はこの過程の一部として,コミュニケーションスキルを育成するための掲示板システムに必要な機能・インタフェースを明らかにした.コミュニケーションスキルを(1)伝達力(他者に自分の考えを適切に伝える力), (2)理解力(他者の考えを的確に理解する力),(3)調整力(互いの考えを調整していく力)から成るものと考え,それらを各自が意識し,さらに相互評価によりに高めあうために,各投稿について「表現評価ボタン」(文法,文章の構成を評価),「納得度評価ボタン」(評価者の意見は別として、その意見に説得力があるか、他者を納得させられているかを評価),「共感度評価ボタン」(その意見が評価者の意見とどの程度一致しているかを評価),「自己評価ボタン」(表現に関する自己評価)の機能を付すとともに,評価結果を提示する機能を組み込んだ掲示板システムを開発した.実験によりこれらの評価機能と結果の提示がコミュニケーションスキルの育成に有効であることが示された. また,投稿文を自動的に評価し,投稿文の改善を支援する方法の一つとして,データマイニングを用いて文章構造を評価するシステムを開発した.確かな構造を持つ文章は他者に伝わりやすく,高い伝達力を持つ人は確かな構造を持つ文章が書けると考えられる.当初はテキスト構造の自動評価結果を提示するのみを予定していたが,コミュニケーションスキル向上の目的に照らすと,また文章作成能力の実状を考慮すると,システム使用により学習者自身で文章を改善できる方がよいと考え,改善支援機能も付加した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画とそれに対する成果である. (1) [計画]コミュニケーションスキルを育成するための掲示板システムに必要な機能・インタフェースを明らかにする.:[実際]必要な機能・インタフェースを明らかにし,次年度に予定していた開発の一部を行った.しかし,必要な機能・インタフェースについてはさらなる見当が必要である. (2) [計画]システムが自動的に提供する投稿文評価方法・評価基準を明らかにする.:[実際]この一例として文章構造を評価するための方法,評価基準を明らかにし,文章の評価・教育支援システムを開発した. (3) [計画]適宜学会および研究会にて研究成果を発表する.[実際](2)について国際会議にて発表を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 25年度の研究成果に基づく掲示板システムの改善:コミュニケーションスキル育成のための電子掲示板システムを改良する.また,討論を中心になって進行するモデレータのコミュニケーション能力の育成を図る機能の検討・実装を行う.さらに,コミュニケーションスキルを構成する伝達力・理解力・調整力を向上させるには文章を対象とした論理的思考力が必要と考える.その評価・育成支援システムを提案する. (2) 学習コミュニティの構築・維持の試行:試行的に,掲示板を導入した大学生の学習コミュニティを構築し,数回の議論を試みる.また,この過程での問題点を洗い出す. (3) 学習コミュニティの構築方法の提案・改善:(1)(2)に基づき,学習コミュニティの構築方法を提案し,改善する. (4) 学会および研究会での研究成果発表
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費については,当初パーソナルコンピュータを購入する予定であったが,携帯性の良さから小型のパソコンで代用したため予定より少額となった/謝金については掲示板システムの開発,実験に予定以上にかかったため予定より高額となった/その他については論文別釣り代がかからなかったため予定より少額となった. これらを総合して,当初の予定額まで使用せず,151,236円が残った. H26年度はH25年度以上にシステム開発・実験にかかる予定であり,H25年に残った予算については主にこれを手伝ってくれる方々への謝金に充てたい.また,旅費を増額する.
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Research Products
(4 results)