2014 Fiscal Year Research-status Report
日本を担う人材のコミュニケーションスキル向上をめざす学習コミュニティの構築
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25350344
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
川本 佳代 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (10264938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂山 渡 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (40314398)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育工学 / 教育システム / コミュニケーションスキル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、国際社会、情報化社会の中で日本を担う人材が持つべきコミュニケーションスキル獲得を目的とする学習コミュニティを構築し、その有効性を示すと共に、他者が実践できるよう学習コミュニティの構築方法・学習方法等を提示することが目的である。中間年度である平成26年度は主として以下の2つのテーマについて研究を行った。 1) コミュニケーションスキルを育成するための掲示板システムの改善:電子討論を中心となって進行するモデレータが有すべきコミュニケーション能力の育成にはリーダーシップスキルの向上が必要不可欠である。そのスキルの向上を目的とした機能の検討を行った。また、その機能の有用性を検証するため開発した掲示板システムの改良を行った。コミュニケーションスキルを構成する伝達力・理解力・調整力を向上させるには論理的思考力の育成が必要不可欠である。そのため、フローチャートを活用した学習システムの開発・評価実験を通して論理的思考力育成方法について検討を行った。 2) 学習コミュニティの構築・維持の試行:開発した掲示板システムを用いて大学生の学習コミュニティを試行的に構築し、数回の議論を行う実験を行った。これにより、学習コミュニティの構築・維持にはモデレータのコミュニケーションスキルの向上が必要であることが確認できた。これにより、掲示板システムに追加すべき機能を見出すことができた。 上記研究テーマによる成果は順次雑誌や国内研究会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の計画とそれに対する成果である。 1) [計画]平成25年度の研究成果に基づく掲示板システムの改善:[実践] コミュニケーションスキルを育成するための掲示板システムの有すべき機能として、(a) リーダーシップスキルの向上を目指した機能、(b) 論理的思考力の育成を目的とした機能の2つについて検討を行った。フローチャートを活用した学習システムを開発し、その機能の有用性を検証する実験を行った研究成果を土台とし、論理的思考力が備わったリーダーのコミュニケーションスキルを育成する機能の実現に向けて研究を行っている。次年度以降もさらなる検討と掲示板システムの改良が必要である。 2) [計画] 学習コミュニティの構築・維持の試行:[実践] 大学生の学習コミュニティを試行的に構築し、数回の議論を行う実験を行った。その実験結果について考察を行った。さらなる試行実験を行い、問題点の洗い出しを行う必要である。 3) [計画] 学会および研究会での研究成果発表:[実践] 適宜国内会議や研究会で発表を行った。研究成果の一部を雑誌論文として公表することができた。国内の研究会で発表を行ったが、国際会議等での研究成果発表ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成27年度は、主として以下の2つのテーマについて研究を行う。 1) 論理的思考力の育成方法の改良:日本を担う人材が持つべきコミュニケーションスキル獲得には論理的思考力の育成は必要不可欠である。その育成方法として、これまでに開発してきたフローチャート活用学習システムの研究成果をもとに、四コマ漫画を題材としたオープンエンドかつインタラクティブな論理組立の演習方法の開発を行う。さらに、社会心理学者の三隅二不二が提唱したPM理論を掲示板を使った電子討論に応用する研究を行う。これにより、コミュニケーションスキルを有したリーダーの育成方法を確立する。 2) 学習コミュニティの構築方法と学習方法の応用:本研究課題で開発した学習コミュニティの構築方法と学習方法の応用先として、テキストデータマイニングのための統合環境であるTETDMへの導入を考える。個人利用のTETDMを多数のユーザが利用するシステムへ昇華させ、同一データから協調して共通認識となる知識を得る作業に本研究課題で開発する掲示板システムを活用する。さらにその有効性を実験を通して明らかにする。そのための費用として、システム開発補助および実験のための謝金を予算計上している。 平成27年度は最終年度となるため、これまでに得られた研究成果を総括し、雑誌への投稿や国内会議・国際会議に積極的に公表していく予定である。そのための費用をそれぞれその他および旅費の項目に計上している。
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Causes of Carryover |
電子掲示板システムの開発用に購入したパソコンの購入金額が予定より少額だったため物品費が残ってしまった。また、研究成果を国際会議等に投稿することを予定していたが、国内会議・研究会での研究成果発表を優先したため旅費が低く抑えられたためである。一方で、システム開発補助のための謝金が予想より多くかかった。以上の理由により次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度となる平成27年度の研究テーマとして、さらなる掲示板システムの改良やテキストデータマイニングのための統合環境であるTETDMへ掲示板システムを導入する予定である。そのための開発費用やシステム評価のための実験に要する謝金がさらに必要となる。また、研究成果となる論文の投稿料や国内・海外発表等のための旅費・参加料等に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)