2013 Fiscal Year Research-status Report
デジタルネイティブの特長を伸ばす学習環境のデザインと実践
Project/Area Number |
25350345
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku Bunkyo College |
Principal Investigator |
眞壁 豊 東北文教大学, 人間科学部, 講師 (10369291)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 英昭 信州大学, 教育学部, 准教授 (20467195)
上松 恵理子 武蔵野学院大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (50594462)
松下 慶太 実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (80422913)
岩居 弘樹 大阪大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20213267)
伊藤 一成 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (20406812)
安藤 明伸 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60344743)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | デジタルネイティブ / ネットワーク / 学校教育 / 教育の情報化 / コミュニケーション |
Research Abstract |
研究初年度は「□□学的分析によれば、デジタルネイティブは(A)という特長を持つ。」の形式でまとめることが課題であった。 まず6月25日にミーティングを行い、各研究者の立場に基づく認識と今後の研究の方向性を確認した。結論として、現時点においてはデジタルネイティブの定義付けを早急且つ厳格に定義付けることは避けたほうが良いということになり、また質問紙項目の作成なども現時点では行わないほうが良いということになった。その代わり、研究者各自の研究分野におけるデジタルネイティブに関する知見をまとめ、数ヶ月後に意見を付き合わせることになった。 また、デジタルネイティブに関連して、パソコンやデジタル端末を使ったデジタルコンテンツを学校に持ってきて教室で利活用するという「BYOD(bring your own device)」の手法を用いた教育現場の視察を北欧や韓国で行い、その成果は北海道での研究会にて発表を行った。 以上の成果をもとに12月22日~23日に行われたミーティングにおいて再度情報交換が行われ、意見を共有した。その結果、デジタルネイティブは特定の世代を指す言葉ではなく、「環境の差」「世代の差」など多軸で考える必要があり、デジタルネイティブの特長を導くためには、まずデジタルネイティブの特性を細かく洗い出す必要があるという結論になった。そこで平成26年6月程度までに、各研究者それぞれの大学においてデジタルネイティブの特性に関するブレインストーミングを行い、その成果を持ち寄ることで、デジタルネイティブの特性、ひいては特長をピックアップし、その結果を平成26年8月の学会にて報告するという段取りを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結果として初年度において「デジタルネイティブの特長」をまとめるまでには至らなかったが、この課題は単なる消費者教育的な世代論として片付けではならない、広汎にわたる課題であることが各研究者において共有されたことは、初年度の成果であると考えられる。 当初の研究計画に基づけば、現時点でおおよそ1~3ヶ月程度の遅れであると考えられるが、これは当初想定していた「特長」を導くための作業量を、実際よりも低く見積もってしまったためであると考えられる。 ただ、これについては先の平成25年度実績にも述べてあるように、特定の世代に関して調査をすれば、特性や特長といった各要素が得られるものでもないと考えられるので、よってこの遅れは必要な時間であろうと思われる。 また、今後デジタルネイティブの特性や特長を導き出し、それに基づいて2年目の研究計画にあるように、実践的方策を考案ならびに実践授業の計画を作成ことについては、現時点ではまだ不可能ではないと思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは6月に各研究者の所属機関におけるデジタルネイティブの特性に関するブレインストーミングを行った成果を持ち寄り、デジタルネイティブの特性ならびに特長を導き出す。もともとの「デジタルネイティブ(Digital Native)」は外来語でもあり、よって元から言われている定義と比べて、日本特有のデジタルネイティブの特性が導き出される可能性があるので、その結果については今年度中に学会で発表する予定である。 この段階である程度まとまったデジタルネイティブの特性ならびに長所をもとに、必要に応じてミーティングを開催し、平成26年度の当初研究計画にあるようにデジタルネイティブの長所を伸ばすための実践的方策と実践授業の計画作成に着手し、その結果を研究成果としてアウトプットできる形にまとめる。 また平成26年度の設備備品費の項目として相応台数のタブレットPCを計画していたが、昨年12月のミーティング時、意見の1つとして「デジタルネイティブの学習者にデジタルデバイスを与えることが策として正しいかどうか」という疑問も挙がっており、この備品購入については、デジタルネイティブの特長を伸ばすための実践的方策の考案に関する状況次第で、その購入の時期や、あるいは具体的な品名の変更が為される可能性もある。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費に関する研究者間の金額移動はあったものの、おおむね当初計画どおり使用できたものと思われる。ただし、旅費に関して当初予定よりも使用金額が少なくなったことについては、予定していたデジタルネイティブの特性や特長を導くための調査関連が結果として実施されず、打合せの回数等が減ったことで差額が発生し、次年度使用額が生じることになったものと思われる。 発生した次年度使用額について、平成26年度は物品費として使用し、主に心理学的な見地からデジタルネイティブの特性や特長をまとめるための必要な機材や、その他物品などを購入する分として充てる。
|
Research Products
(1 results)