2015 Fiscal Year Annual Research Report
交流学習不安の相違に対応したオンライン・ファシリテーションに関する実験的研究
Project/Area Number |
25350360
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
吉田 広毅 常葉大学, 教育学部, 教授 (40350897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 晃 愛媛大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (70364495)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 交流学習 / ファシリテーション / 学習不安 / オンライン学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①交流学習不安尺度の作成、②ファシリテーション・マニュアルの作成、③交流学習不安の相違に対応したファシリテーションによる協調的コミュニケーションの促進を目的として実施された。研究実績の概要は以下の通りである。
交流学習不安尺度の作成については、初年度に交流学習不安を自由記述で聞き取って分類するボトムアップ的手法で不安項目を明らかにし、尺度作成のための追調査を経て、最終的に13項目から成るオンライン交流学習不安尺度を作成した。また、オンラインでの交流学習に際して学習者が抱える不安要因として、コンピュータ、オンライン学習不安、コミュニケーション不安の3要因を明らかにした。 ファシリテーション・マニュアルの作成は、第二年度に行った。まず、交流学習を体験した学習者がどのような指導・支援を望むかを自由記述で尋ねた結果、交流学習で利用するシステムの操作方法や交流が停滞した際の交流促進を望んでいることを明らかにした。この結果を基に、オンライン交流学習不安に対応したファシリテーションをアイスブレーク、学習の動機づけ・励まし、学習管理、方向性の示唆や修正の助言、技術的問題についての助言・支援の5つに分類し、マニュアルを作成した。 交流学習不安の相違に対応したファシリテーションによる協調的コミュニケーションの促進については、最終年度に検証した。結果、コンピュータ不安を抱える学習者は、テクニカル・サポートを与えられることで不安が軽減される傾向がみられた。オンライン学習不安を抱える学習者は、学習の進捗状況をモニターしたり、学習計画に対する助言を与えるなど、学習管理のためのファシリテーションを与えられることで不安が軽減される傾向がみられた。コミュニケーション不安を抱える学習者は、励ましやKRを与えられたり、話の流れを整理したりするコメントを与えられることで不安が軽減される傾向がみられた。
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