2014 Fiscal Year Research-status Report
「プログラムによる計測と制御」を学ぶための女子生徒向け教材の開発と普及
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25350363
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
吉田 智子 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (60329977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 敏雄 大阪市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (40127296)
中西 通雄 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30227847)
原田 章 追手門学院大学, 経営学部, 教授 (10263336)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プログラミングによる計測と制御 / LilyPad Arduino / プログラミング学習環境PEN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中学の技術・家庭科の新学習指導要領で平成24年度から必修項目となった「プログラムによる計測と制御のしくみ」を学ぶための女子生徒向きの教材を開発し、それを利用した学習環境を普及させる方法を確立するものである。 そこで初年度の平成25年度には、手芸作品作りに使えるマイコンボード LilyPad Arduinoを利用したプログラミング学習の教材システムを考案した。平成25年度末には、研究分担者の松浦敏雄先生の研究室(大阪市立大学)において、初学者向けプログラミング学習環境PENにLilyPad Arduino対応の機能が追加され、LilyPad ArduinoにPENで書いたプログラムが書き込めるようになった。 二年目の平成26年度には、シミュレーションソフトウェアを開発し、手芸作品作りに使えるマイコンボード LilyPad Arduinoを利用した学習環境が出来上がった。そして、平成26年度後半には、LilyPad Arduinoを利用したプログラミング学習環境を利用した実践授業を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年目の平成26年度の研究計画は、教材システムの詳細設計・構築、および生徒向け資料の作成をおこない、クラブ活動のような勉強会や少人数の授業で使い、教育効果を検証することであった。そして、平成27年度以降の40人規模の実践授業につなげていこうと考えていた。
しかし、平成26年度前半に、LilyPad Arduinoなどのマイコンを利用したプログラミング学習を推進するグループ(LilyPad研究会)が発足し、教材システムの構築に拍車がかかった。その結果、平成26年度には、シミュレーションソフトウェアが開発でき、平成26年度中に、40人規模の複数の授業で、このプログラミング学習環境を利用した実践授業を行うことができた。平成26年度末には、このシミュレーションソフトウェア開発に関する学会発表、実践授業に関する学会発表を行っている。この点では、当初の計画以上に進展していると言えよう。ただし、最終目標である中学での実践授業の準備は当初の計画通り、最終年度になることが予想される。これらの理由から、現在までの達成度は「おおむね順調に進展している」と結論づけられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には、以下の研究活動を予定している。 ①前年度に引き続き、LilyPad Arduinoなどのマイコンを利用したプログラミング学習を推進するグループ(LilyPad研究会)の活動を通して、モノ作りを通してプログラミングを学ぶ環境作りを進める。 ②前年度に引き続き、大学の40人規模の複数の授業で、このプログラミング学習環境を利用した実践授業を行い、効果の検証、カリキュラムの改善に努め、中学の技術科のカリキュラム作成に生かす。 ③このシミュレーションソフトウェア開発の技術面と、平成26年度の授業の実践面を含めた論文を英語で書き、海外の学会で発表を行う。 これらの研究活動を通して、最終年度となる平成28年度の前半で「50分×6回」程度の中学の技術の授業において、「プログラムによる計測と制御のしくみ」を学ぶための実践授業を行い、それを評価して問題点を再検討し、改良する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度への繰越金額のほとんどは、3名の研究分担者のうち2名が、当初予定していたこの科研のための出張ができなかったことによる残高である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度以降に、海外での研究論文発表を計画しており、研究代表者および研究関係者の合計3~4名が海外出張を予定しているため、今年度の繰越金額も使用されるであろう。
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