2013 Fiscal Year Research-status Report
論理的思考環境とPBL実践環境の相互作用による組織学習フレームワークの研究
Project/Area Number |
25350366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋吉 政徳 広島工業大学, 情報学部, 教授 (20403040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 慎平 広島工業大学, 情報学部, 准教授 (30455183)
鮫島 正樹 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80564690)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロジェクト計画書記載タスク / プロジェクトリスク抽出 / コミュニケーションログ記録 |
Research Abstract |
PBL実践環境の構築として、以下の3つの項目に取り組んだ。 (1)プロジェクト計画書を展開したタスク記述形式の設計:いくつかのプロジェクト計画書を人手で分析を進め、タスクとして共通事項の抽出を試みた。その結果、デザインレビューにおけるチェックリストの活用形態やプログラム実装におけるレビューミーティングの実施形態の概要を把握することはできるが、タスクレベルまでの整理には至らず、タスク抽出とその記述形式の設計は引き続き検討課題としてH26年度も鋭意取り組むこととした。 (2)プロジェクトリスクの記述形式の設計:プロジェクトリスクとしてPMBOKや実プロジェクト関係者のヒアリングにより本研究のシミュレータで対象とするリスクについての絞り込みはなされたが、プロジェクト計画書の記載内容からの自動導出には至らず、設計は未完である。 (3)コミュニケーション特性抽出方式の設計:模擬プロジェクトのメンバーと活動スペースと実験環境整備を行い、3か月間に渡りホワイトボードや会議での討議・発言内容を記録し、加えて議事録やメンバー間のメールログも加味した分析を試みた。討議・発言内容についての意味的分析に関して十分な精度での自動分析に課題が多くあり、目標としているプロジェクトへのプラス要因やマイナス要因に分類されるコミュニケーション分析には至らず、今後模擬プロジェクトにある程度の制約を課した状況での分析に取り組むこととした。 上記述べたように、3つの項目に関して設計や分析に関する方式の確立に必要なデータ入手や実験環境の整備は行えたので、H26年度に外部有識者を交えた体制を再度整えて各取り組み項目の課題解決を図る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2つの学習環境の相互作用をもとにした組織学習フレームワークを実現する目的で、その中の一つである「PBL実践環境の構築と活動分析」にH25年度は精力的に取り組んだ結果、「人」の記載した成果物の「プロジェクト計画書」や討議・発言内容のログ等に関してのデータを入手・記録できた。しかし、「人」の成したデータの多様性や複雑性に対しての形式的な扱いに関する方法論の確立がなされず、そのためH26年度もPBL実践環境の課題に取り組まざるえないためである。H26年度の「論理的思考環境の中心となるプロジェクトシミュレータの構築」についてもH25年度の成果をもとに組み入れる箇所もあり、この点でも遅れが生じる可能性があるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請時の本研究の目的である2つの学習環境に関して、実企業の有識者への意見聴取や協力体制を整備しつつあり、加えて研究分担者との打ち合わせを密に行い、研究推進を図っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
PBL実践環境として導入予定設備であった「電子黒板・スタンドセット一式」に対して、機能面ならびに価格面からも効果的な代替品を導入したことによる所要額の軽減、加えて学会発表としての経常予算を未使用であったために、差分が生じた。 コミュニケーション分析技術の国内外会議での調査、学会発表による意見のフィードバック、研究分担者との密な打ち合わせ等による研究推進に邁進し、H26年度までの研究計画にそった成果達成のための経費として有効使用する。
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