2013 Fiscal Year Research-status Report
手作業によるアルゴリズム構築支援教材の開発とくさび型授業展開に関する研究
Project/Area Number |
25350371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
新開 純子 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (60179067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 功 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (30043722)
早勢 欣和 富山高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (60238144)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アルゴリズム教育 / プログラミング教育 / 学習環境 / 体験型学習 / 学習支援システム |
Research Abstract |
アルゴリズムの原理と効率を理解するだけでなく,プログラム化するためのアルゴリズム構築能力を育成することもアルゴリズム教育の目標にすべきであると考える.本研究の目的は,手作業による体験的アルゴリズム学習を行い,アルゴリズムの原理の理解からプログラム作成までを支援する教材開発とその教材を活用した授業設計を行い,その学習効果を検証することである. 平成25年度は,本研究の基盤となる手作業による体験型学習を再帰アルゴリズム,データ構造,ソートアルゴリズム,探索アルゴリズム,グラフ探索等の授業に組み入れ,手作業による処理プロセスを重視したアルゴリズム教育を試みた.さらに,学習効果をアンケート調査により明らかにした(新開純子,早勢欣和,宮地功:手作業による処理プロセスを重視したアルゴリズム教育の試み,教育システム情報学会研究報告,vol.28,no.6,pp.43-46(2014)). また,プログラミング入門教育とアルゴリズム教育のくさび型教育の設計案を作成した.くさび型教育では,プログラミング入門教育の早い段階で関数の概念を導入して,配列の学習以降にアルゴリズム教育の教育内容であるソートアルゴリズム,データ構造を実施するなど,少しずつアルゴリズム教育の内容を入れ込んだ. 今後は,平成25年度に作成したくさび型教育の設計案に基づき,授業実践を行う予定である.さらに,アルゴリズム構築の難しさの要因調査を行い,その要因を回避させる教育方法を検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度に計画していた手作業でソートアルゴリズムを体験して,プログラム化のためのアルゴリズム構築を支援する教材の開発を試みた.試作した教材は,7枚のカードを交換,挿入等の単純な操作ボタンのみで並び替えを行うことができる.さらに,プログラム化するためのアルゴリズムを構築するために,その手作業の処理過程を逐次配列で表現するようにした.また,処理の履歴情報をテキスト形式で保存することができる. しかし,試行錯誤をしながら手作業で行う処理では,処理前の状態に戻り,再度処理を続けるなどの動作を行う.このようなやり直し等に対応する機能等が不十分であり,授業で活用できる教材までにはいたっていない.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に試作したアルゴリズム構築支援教材を授業で活用できるまで完成度を高める.さらに,プログラミング入門教育とアルゴリズム教育のくさび型授業設計案に基づき,授業実践を行う.授業実践後,アンケート調査(学習者の主観による評価)や試験による調査(客観的評価)を行い,プログラミング能力やアルゴリズム構築能力に対する学習効果を測定する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年3月23日から27日にバルセロナで開催された国際会議The Sixth International Conference on Mobile, Hybrid, and On-line learning eLmL2014に参加した.その出張旅費等の支出が平成25年度ではなく,平成26年度の支出になった. さらに,eラーニングとeポートフォリオの統合環境を構築するために,現有のパソコン上で試作を行ったがサーバ上で展開できるまでの環境を構築することができず,当初予定していたサーバを購入しなかった. 以上の理由で,平成25年度の助成金の一部を平成26年度に使用することになった. 平成25年度に試作したeラーニングとeポートフォリオの統合環境の完成度を高め,サーバーを購入して,統合環境をサーバー上で展開できるようにする.
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Research Products
(7 results)