2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350416
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 守 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (50373452)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 友徳 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 准教授 (10512270)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 永久凍土 / 確率モデル / モンゴル / 地理情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究の目的は、これまで連続的(面積率90%以上)・不連続的(同50-90%)・点在的 永久凍土帯(同10-50%)といった定性的な凡例区分しかされてこなかった北東ユーラシア永久凍土帯南限における永久凍土分布図を、植生、微地形、気温、降水、可能日射量などを考慮して、1x1kmのグリッドスケールでの永久凍土分布確率図の作成を目指す。 今年度は、①昨年度多点で取得した結果変数(永久凍土の有無)と上に列挙した説明変数としての地理・気象情報との対応を精査するとともに、②欧州での永久凍土マッピング研究で用いられているモデルの導入をオスロ大の研究協力者とともに実施した。 ①については、モンゴル南部の永久凍土境界域ではよい結果が得られ、永久凍土の有無をきめる各地理・気象要素の寄与率が統計的に有意なレベルで求められた。その一方で北部の永久凍土連続域では結果変数の数が不足しているため寄与率を求めるまでにはいたらなかった。データ数を増やすことが求められる。 ②については、3月上旬に北海道大学で国際永久凍土モデリングコースを開催し、平衡モデル、非平衡モデル、確率モデルなどについて大学院生を含めた勉強会を実施した。同時に各種モデルがユーラシア域でも利用できるようにコードの改変を行った。試験的なランではおおむね良好な結果が見られた。今年度はこれをさらに発展させる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地観測データが若干不足し、そのため一部の領域では解析が滞っているが、他地域では十分なデータが得られ当初の予定通り確率手法による永久凍土分布図がほぼ描けた。また様々なモデリングが導入され、今後これらを駆使することにより、確率モデルによる出力とそれ以外のモデル出力を比較できるような環境が整えられた。後者は当初の予定を越えるものといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度の今年度は、これまでに蓄積した結果変数と説明変数、および導入したモデルなどから境界永久凍土分布図を作成する。その一方でデータが不足しているモンゴル北部にて結果変数(永久凍土の有無)を増やすべく、夏季に現地調査を実施する。 年度末には成果を国内外の学会で発表するほか、論文としてとりまとめ、しかるべき国際専門誌に投稿する。
|
Causes of Carryover |
当初計画していた野外調査の1名分ががキャンセルとなったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
大学院生1名を今年度の野外調査に参加させる
|
Research Products
(3 results)