2013 Fiscal Year Research-status Report
浅層地盤における熱伝導率の変動メカニズムの解明と熱交換資源量の評価
Project/Area Number |
25350418
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
井岡 聖一郎 弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 准教授 (40598520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 光 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80332526)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地中熱 / 地下水 / 浅層地盤 |
Research Abstract |
地中熱利用の普及には,地中熱交換井の掘削深度抑制と熱資源安定採取への必要最小限の坑井深度の決定を組み込んだ,掘削長抑制低コスト化技術開発が重要である。浅層地盤の熱伝導率は,明瞭な季節変化を示す地下水面深度,地下水流束に影響を受ける。その結果浅層地盤の熱伝導率も降雪量の多い北日本では融雪時期に大きな変化を示すと考えられるが,浅層地盤の熱伝導率と地下水面深度,地下水流束との関連性は定量的に評価されていない。また地中熱利用に伴う浅層地下水の溶存二酸化炭素の変動は解明されていない。したがって,本研究では浅層地盤における熱伝導率と地下水面深度・地下水流束の季節変化との関係解明,資源としての熱交換量の定量的評価,そして地中熱利用による浅層地下水の溶存二酸化炭素濃度への影響を明らかにすることを目的とする。 平成25年度は,地下水面深度および地下水の流束を評価するために,青森県田舎館村において3本の観測孔を設置し,初めに研究地域の地質条件を明らかにした。次に,3本の観測孔を用いて地下水面深度の観測,そして地下水流束を評価するための地下水面勾配の観測を6月から毎月実施した。その結果,地下水面勾配の季節変化が存在することが明らかになった。さらに,観測孔を用いた地下水温の鉛直分布を観測し,研究地域の地下水温の深度分布が地質条件との関連性が明らかされた。そして,地中熱利用に伴う浅層地下水の化学的影響を評価するために,初期状態を判断するための地下水を観測孔から採取し,地下水の化学分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は,当初の計画通りに地下水の地下水面深度や地下水流束の季節変化を評価するために,初めに観測孔を3 カ所設置して同時に地質条件も評価した。その観測孔を用いて地下水面深度の観測,地下水流束の評価に必要な地下水面勾配を算出した。 また,地中熱利用による浅層地下水への溶存二酸化炭素濃度への影響を評価するためには,化学的初期条件を明らかにする必要がある。平成25年度は,その溶存二酸化炭素濃度の化学的初期条件を評価するために, 観測孔から採水器を用いて地下水を定期的に採取し,実験室に持ち帰り化学分析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,浅層地盤の熱伝導率を評価するために,温度応答試験を実施する。はじめに,観測孔の中心に鋼管製同軸型地中熱交換器を設置する。温度応答試験は,熱負荷を0.7~1kW で与え,熱循環媒体の流速は18~20L/min で約48 時間行う。 現地観測は,平成25 年度から継続実施し,季節変化および年変化も同時観測する。 地下水の採取・化学分析は,地中熱利用による浅層地下水への溶存二酸化炭素濃度への影響を評価するために,温度応答試験実施期間においては,特にその前後において実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,3本の観測孔の設置及びその観測を中心に実施した。そのため,解析等にかかる費用を平成26年度に持ち越した。 平成26年度では,サーマルレスポンス試験解析等に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)