2015 Fiscal Year Annual Research Report
高起伏山岳地域における突発斜面災害の発生場・襲来域特定に関する研究
Project/Area Number |
25350420
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
八木 浩司 山形大学, 教育文化学部, 教授 (40292403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 剛 帝京平成大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00468406)
檜垣 大助 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10302019)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 山体釣り鐘度 / 重力性変形 / 2015年ネパール・ゴルカ地震 / 遷急線 / 谷中谷 / 崩壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は,突発的な山体の崩壊が,重力性変形の進行とともに発生することから,それらの程度を表す地形的示標の設定を試みた.高起伏山岳地域における重力性山体変形が釣り鐘型の断面形状を呈していることに着目し,それをDEMを用いて算出することを試みた.算出したものを山体の釣り鐘度と称して,その高い斜面に逆向き小急崖地形や線状の凹地群の形成密度が高いことを示した. さらに,2015年4月発生のネパール・ゴルカ地震に際して発生した地すべり・斜面崩壊の発生状況から,地震時には谷壁斜面内の肩に当たる遷急線直下から崩壊が発生しやすいことを明らかにした.崩壊発生場は受け盤地域や同斜構造と交叉する谷筋にそってあらわれ,その傾斜は,同じ地質帯の一般傾斜よりやや急な35-45度の傾斜部での発生が多い.また,それらは千枚岩などの風化しても片理組織が複雑で絡み合うことでやや粘性を帯びた岩質では発生しにくく,粘板岩や変麻岩のような破断しやすい岩質地域で多く発生したことも明らかにできた.さらに,ドロマイト分布域での発生の集中も認められた.その原因として,岩盤内の炭酸岩の溶脱によって組織の劣化が進んでいたことも明らかにできた.
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Research Products
(11 results)