2015 Fiscal Year Research-status Report
複眼的な政策分析に基づく居住環境リスクに対する住宅保障政策の検討
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25350435
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
佐藤 慶一 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (90424192)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不動産市場 / リスクインデックス / 液状化 / 質問紙調査 / 住宅金融 / データ融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、住宅ローン返済という住宅金融リスク、液状化という都市災害リスク、地震災害による住宅喪失リスクなどの現実の居住環境リスクに関する政策分析を実施し、それらの結果を複眼的に眺めつつ政策提言の導出や政策情報の創出を目的としたものである。 平成27年度は、内閣府経済社会総合研究所防災研究会(主査 永松関西大教授)に参加し、市区町村単位で地震発生確率や地域社会の脆弱性や持続性を統合的に評価する日本版地震災害リスクインデックスの開発に着手した。その中間成果を、平成27年6月に内閣府ESRIワーキングペーパーNo.34として刊行した。 その後、地震発生確率に加えて、床上浸水確率、土砂災害確率の三つの災害リスク情報を整理して、日本全国の公示地価、宅地取引価格、家賃の三つの不動産市場データを用いたヘドニック分析による実証分析を行った結果を、内閣府ESRIディスカッション・ペーパーNo.327として刊行した。我が国の地震リスク情報と水害リスク情報の公示地価への影響は極めて限定的で、全体の1~2%程度の高災害リスクのみがマイナスに影響している状況であり、情報の認知不足や歪みなどリスクコミュニケーションが課題となることが分かった。 上述の研究作業が長引いたことなどにより、申請時の研究計画に掲げた3ケ年の研究成果をとりまとめた書籍原稿の作成が遅れたため、補助事業期間の延長を申請した。平成28年度に書籍原稿を作成し刊行することに取り組む計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の最終的な目標であった実施した当該研究成果をとりまとめた成果を出版することについて、作業が遅れ補助事業期間の延長を申請することになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、これまでの研究成果をとりまとめ、単著書籍の原稿作成に務める。
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Causes of Carryover |
住宅金融リスク、液状化リスク、地震災害リスクに関する3つの政策分析を実施し、それをとりまとめた書籍を刊行することを研究計画としたが、3つ目の地震災害リスクに関する政策分析の作業が長引いたことにより、書籍原稿の作成が遅れたために、書籍原稿作成にかかわる経費を残し、補助事業期間の延長をした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
書籍原稿作成に関する情報収集(2016年4月に発生した熊本地震の現地調査を含む)や情報環境などの整備(ソフトウェア購入等)に利用する計画である。
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