2013 Fiscal Year Research-status Report
ボランティア参加の機構解明とそれを活用したボランティア獲得の為の情報システム開発
Project/Area Number |
25350440
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
前田 恭伸 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60270980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺野 敏久 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (00284125)
森 保文 独立行政法人国立環境研究所, 社会環境システム研究センター, 主席研究員 (30174387)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ボランティア / 環境活動 / ICT / 環境団体 / NPO / 中間支援組織 / ウェブ調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、環境ボランティアの参加のメカニズムとボランティアを受容する側のNPO、環境団体の受け入れ傾向を理解し、それら知見を活用してボランティア獲得のための情報システムを開発するということである。この目的のために、平成25 年度は、以下の三つの研究を進めた。 第一に、ボランティア参加者の参加理由や参加要因の探索のため、全国の潜在的ボランティア参加者を対象に、情報とボランティア活動への参加の関係について、ウェブベースのアンケート調査を行った。調査会社に登録されている全国レベルのモニタから最近ボランティア活動への参加を始めた者約1,600人、まだ参加していないが参加の意思のある約800人を抽出し、ボランティア参加の意向、動機及び普段の環境行動などについてのデータを収集した。 第二に、環境ボランティアの獲得手法を検討する参考として、既存の市民団体や関連企業における情報発信や人材確保の方法,ボランティア獲得に対するニーズなどについて聞き取り調査を行った。対象としては,自然保護団体である日本自然保護協会とWWF-J、国内のいろいろな市民団体と関わりのある日本財団、国内外で森林保護活動等を行っているオイスカ、ボランティア・ツーリズムを推進している旅行会社のH.I.S.を取り上げた。限られた対象ながら、ボランティアと各団体の活動、ボランティア獲得とICT活用の可能性や課題について、貴重な情報を得ることができた。 第三に、ボランティアを環境活動に引き込むための既存の情報システムについての調査として、森林を対象として活動する全国のボランティア団体約500団体にアンケート調査した。その結果、ボランティアの主たる層が50~60歳代であること、主たるICT活用はウェブサイトと電子メールでSNSの利用は少ないこと、ICTとともにチラシがボランティア獲得の有効な媒体であることなどがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、平成25年度の内容として、以下の三つの研究を進めることにしていた。(1)ボランティア参加者の参加理由や参加要因の探索のためのウェブベースのアンケート調査、(2)全国のNPO・環境団体へのインタビュー調査、(3)ボランティアや環境活動に引き込むための既存の情報システムに関する調査、である。 このうち(1)については、調査会社に登録されている全国レベルのモニタから最近ボランティア活動への参加を始めた者約1,600人、まだ参加していないが参加の意思のある約800人を抽出し、参加理由・参加要因についての回答を得ることができた。 (2)については、東京ボランティア・市民活動センター、静岡県ボランティア協会、WWF、日本自然保護協会、オイスカ、日本財団、H.I.S.の7団体にインタビューするとこができ、ボランティア受け入れ団体の現状について知ることができた。 (3)については、上記のインタビューとともに、森林を対象として活動する全国のボランティア団体約500団体にアンケート調査を行い、様々な環境ボランティア団体のICT利用の状況について知ることができた。 以上の成果から、達成度については「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、基本的に申請時の研究計画を着実に実行していく。 特に平成26 年度は、前年度の調査を継続するとともに、それを基にした、ボランティアとNPOの関係の一般化モデルを構築する。森はボランティア参加者の参加要因の分析を詳細化する。そのために、参加要因の詳細調査のためのウェブアンケート調査を実施する。淺野は、NPO、環境団体の実情のより詳細についてインタビュー調査を継続する。そしてそれら結果をもとに、森・淺野はボランティアとNPO の関係についての一般モデルを作成する。前田は前年度からの調査を継続するとともに、森・淺野のボランティア-NPO 一般モデルに基づいて、ボランティアをNPO・環境団体に呼び込むための情報システムのあるべき姿について、規範的モデルを作成する。規範モデルは、具体的にプログラムされたシステムではなく、UML のような言語を用いた抽象的モデルとして作成する。
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