2013 Fiscal Year Research-status Report
多状態信頼性システムの構造関数の決定方法について研究
Project/Area Number |
25350441
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大鑄 史男 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60116001)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 信頼性評価手法 / 多状態システム / モジュール分解 / 半順序状態空間 / 全順序状態空間 / 二状態システム / フラクタル的時系列データ解析手法 |
Research Abstract |
状態空間が全順序であるときのモジュール分解を用いたシステムの確率評価の上下界について南アフリカで開催されたMMR2013で発表(招待)・公表し,現在国際専門誌に投稿中である.又状態空間が半順序の場合についての同様の結果についても,平成26年開催予定の国際会議で発表の予定である.いずれもモジュールに対する信頼性評価の近似値を積み上げることで,システムの信頼性評価のよい上下界が得られることを示し,システム設計での実践的な信頼性評価手法を提示した.又一方理論的には,二状態システムにおける同様の確率的上下界の多状態への一般化であり,その際に,従来気づかれていなかった normal 性と呼ばれる条件が必要であることが明確にされた. 二状態システムと多状態システムの相互変換についての基本的な知見は得られており,平成26年度開催予定の国際会議で発表予定である.部品及びシステムの状態を0及び1の系列に表現することで相互変換が定式化され,このことによって二状態システムの FT を多状態システムの信頼性評価に応用するための契機が得られた. また,安全安心・リスク予測の観点から信頼性と関係すると考えられる避難時歩行者流動のシミュレーションを高層建築物と商用施設を対象として行い,平成25年秋及び平成26年春の日本オペレーションズリサーチ学会研究発表会で,直近の階段等に向かうことは必ずしも最適ではないことを示しながら,最適避難計画における基本的な原則を明らかにした, さらに故障データなどの時系列データのフラクタル的な解析手法である Higuchi 法が,これまで必ずしも明確ではなかったが,ボックス次元を与えることを強く示唆する結果を,河野の自己アフィン関数及び自己相似関数を用いることで示し,愛知大学経営学会主催ワークショップで発表・公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の重要なポイントであるモジュール分解を用いた確率評価の上下界,二状態と多状態の相互変換についての基本的な定式化などについては,ほぼ当初の計画通りに進められている.特に前者は,最終目的である状態空間が半順序集合の場合についての結果まで得られている. 相互変換については,全順序の場合の基本的な定式化が行われているが,この相互変換の十分な吟味とこれを用いたシステムの細かい性質についての議論が十分ではない.
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Strategy for Future Research Activity |
二状態システムにおける FT を用いた多状態システムの構造関数の決定手順を明確にする.このことによって,二状態システムと多状態システムとの相互変換を FTA に関係づけ実践的なものにすると共に,多状態システムの理論を実践的な文脈の中に位置づける.又,これまで不十分であった議論についても進める. 同時に,ネットワークの多層システムにおける故障の問題を多状態システムの観点から定式化することを試る.さらに故障データなどの時系列データのフラクタル的解析手法についても吟味を行い,より広い複雑系の観点から信頼性理論を位置づけることを試みる. 成果は順次国内外の研究発表会,講演などで公表していくと共に国際専門雑誌に論文を投稿する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費,図書及び消耗品の購入への予算の一部を次年度に繰り越し,H26年度の研究活動を充実したものにするため. 国内外の研究集会への出席,図書・研究資料の購入,及び消耗品等の購入に使用する計画である.
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Research Products
(9 results)