2015 Fiscal Year Annual Research Report
クラウド型環境リスク評価システムによる推計の信頼度向上メカニズム構築
Project/Area Number |
25350443
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥原 浩之 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (40284161)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境 / モデル化 / 最適化 / 制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビックデータから,エビデンスベースの制度設計に至る一連のメカニズムの実例となるべく,環境リスク物質排出量の見積もりに取り組み,数理モデルとして定式化した.そこでは,製品,中間製品,サービスの環境リスク物質排出量の推計値は,組み込まれている原材料や資源・エネルギーを個別に選択して積算される.この構造を,多数の構成要素が影響を与えあう非線形大域結合写像として捉えて一般的な形でモデル化することにより,欠損や不確実性が存在するデータに対して,CVarなどのリスクを考慮した評価基準のもと推定値を得る手法を提案した. 欠損データの推定値を検証済みのデータや,欠損データが属するカテゴリでの確率・統計的手法による推定法を導出するため,ランダマイズドアルゴリズムなどにより数値解析を行うことで,環境リスク物質排出量のロバストな推定値の範囲を明らかにするアルゴリズム,システム内での自動的な数値計算を繰り返すことにより整合性がとれるように欠損データの仮の値を調整する仕組みを考え,それらの手法がサプライチェーンでの在庫,発注量の最適な決定に有効であることを示した.このようにして得られるミクロデータの積み上げ方式による推計値と,マクロデータを活用した産業連関方式などによる推計値とのギャップを小さくし,整合性が成り立つようにフィードバック情報で欠損データの推定値を調整していく手法を構築した. そのうえで,推定誤差のリスクと無駄の削減とのバランスをとりながら,環境リスク物質総排出量の削減に寄与するボトルネックを検出できることを明らかにした.
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Research Products
(13 results)