2015 Fiscal Year Annual Research Report
エージェント間の情報伝播と群知能を応用した自律分散搬送制御システムの開発
Project/Area Number |
25350447
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻 康孝 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90304732)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生産システム / 搬送制御 / 群知能 / マルチエージェント / energy awareness |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では,提案手法のジョブショップ問題への拡張と,前年度まで未達成であったワーク搬送での時間制約の導入を実施する予定であったが,シミュレータの大幅な拡張の必要性と,また近年の環境エネルギ問題の重要性の観点から,エネルギ消費(総使用電力)の低減を目指した搬送制御手法の開発を行った.生産システム内の各機械の使用法やそれらを用いた生産・搬送プロセスの改善によって,直接生産に使用される電力量の低減が可能であることから,前年度まで開発したマルチエージェントに基づく搬送制御手法を,消費エネルギ低減手法としての拡張を行った.ここではシステム内の各機械の待機状態に,電力消費を抑えたモード(省電モード)への切り替えが可能であることを前提とする. エネルギ低減手法として,各搬送要素間の情報伝播により得られた情報に基づき,バッファからの指令に基づいて各機械の電力消費モードを適応的に切り替えることにより,適切な機械割当て及び経路選択を行うと同時に不要な電力消費を抑制する搬送制御手法を提案した.「省電モードへの切り替え」は,機械直前のバッファにより行い,直前の機械の累積処理時間とバッファ自身のワーク保有数により判断する.「省電モードからの復帰」は,より上流側のバッファのワーク保有数が閾値を超過した時に下流側に位置する機械に復帰の指令を送る.性能評価をシミュレーションにより行ったが,「省電モード復帰」部分の実装が不完全だったため正確な評価が行えなかった.しかし各機械の稼働状況履歴を確認したところ,低稼働率の機械の「省電モード復帰」をできるだけ遅らせることができれば,省電モード時間を長く維持でき,結果的に消費電力の低減が可能であることが分かった. 今後は,正確な手法を実装したシミュレータによる検証を行うとともに,ピーク電力も考慮に入れた手法への拡張を継続して行う.さらに時間(納期)制約の実装も行う.
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