2015 Fiscal Year Annual Research Report
ドライポートを活用した国際ロジスティクス社会最適化方策の提案
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25350471
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
安部 智久 国土技術政策総合研究所, その他部局等, その他 (30370795)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ドライポート / ラウンドユース |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、海外港湾のロジスティクス対応事例(ロンドンゲートウエー)を現地調査し、背後輸送の効率化手法等について知見を得るとともに、最終年次としてドライポートが我が国で整備された場合の効果について検証を行った。具体的には、近年トラックドライバーの不足等によって機運が高まっているコンテナラウンドユース(内陸の拠点において輸入によって生じた空コンテナを、輸出用に転用すること)を対象に、国土交通省のコンテナ貨物流動調査によって得られた個別コンテナの動きに関するデータを活用して、ドライポートを整備した場合の効果について定量的に評価を行った。対象は、関東近辺のある県ならびに東北のある県である。その結果、ドライポートの導入によって、これらの県と主要港湾(首都圏)とを輸送する距離や回数を現ずることができることを確認した。さらに、一定の仮定の下で、ドライポートの収支採算性ならびに荷主への真のコスト削減効果(輸送削減効果とドライポート設置によるコスト増との差)の検証を行った。その結果、ある一定以上の輸出入貨物量がある場合に、ドライポートの採算性が保たれることが分かった。また荷主へのコスト削減効果については、背後の陸上輸送のコストをどの程度効率化できるかに因ることを考察し、ならびにその際の効率化目標について考察した。これらより、我が国おいても一定の条件下での成立可能性があることを確認した。また、以上の分析を踏まえて、ドライポートの運営上・整備上の配慮点について考察した。具体的には、ドライポートでの空コンテナの在庫管理や、海側の港湾とのシャトルサービスの運営によるコスト削減等を指摘した。
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