2016 Fiscal Year Annual Research Report
Estimation of the mass flow rate of smoke ventilation and elucidation of the confinement phenomenon of ventilation during a tunnel fire with natural ventilation
Project/Area Number |
25350474
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田中 太 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (60401791)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トンネル火災 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、トンネル火災時に天井下を流れる煙の降下現象に関して、その降下位置を予測する理論の改良とシミュレーションモデルの構築、及び実験データとの比較検証を主に実施した。着火直後の非定常流動状態における天井熱煙流の先端部分を研究対象としており、熱煙流先端部の温度から降下条件を判定している。本理論においては、トンネル壁面に冷やされることで浮力を失った煙の一部がトンネル側壁を伝って降下する現象を考慮した。更に平成28年度では、熱煙流先端部への新鮮空気の巻き込みと放射による熱損失を新たにモデルに加えた。開発した理論に基づくシミュレーションモデルと1/20スケールの模型実験結果とを比較することで、本理論の有用性を明らかにした。本研究の結果から,着火から煙降下直前までの温度変化のモデル予測値は実験値と概ね一致したが,煙降下の段階での振る舞いにおいて、モデル予測と実験結果の間に違いがあることが明らかとなった。また煙層先端部の温度変化に対して、新鮮空気の巻き込みに関しては無視出来るが、放射に関しては無視できないことが明らかとなった。以上の結果から、本研究で構築された理論とシミュレーションモデルは、着火から煙降下直前までの非定常状態での温度を高い精度で推定できることが明らかとなった。更に模型トンネル火災実験において、熱煙流先端部が降下した後、トンネル坑口からの新鮮空気の流入を阻害する換気の閉じ込め現象が発生した。そのため、火源への新鮮空気供給が滞り、火源の炎が新鮮空気を求めて燃焼位置を非定常変化させるゴーストフレーム現象を実験的に確認することができた。ゴーストフレームが発生しているとき、トンネル内の一酸化炭素ガス濃度は急上昇し、非常に危険な状態になることがわかった。以上の知見は今後のトンネル防災において、避難者の安全を考慮した防災設計において役立てることができる。
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Research Products
(1 results)