2015 Fiscal Year Annual Research Report
医療的ケアを要する在宅療養者とその家族への災害時の電源確保に関する支援体制の構築
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25350480
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
松下 聖子 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (00572538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 やす子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (90369546)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 医療的ケアを要する在宅療養者 / 災害時の電源確保 / 安全・安心 / 自助・共助・公助 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療的ケアを要する在宅療養児の台風等災害発生時の電源確保について、聞き取り調査を行った。本事例は、普段通院していない病院を避難先として確保した事例である。対象者は、人工呼吸器、酸素、カンガルーポンプ、吸入器、吸引器を使用し在宅で療養している子どもの母親1名。調査内容は、対象者の属性、避難先を探すきっかけについて、避難先を見つける方法について、避難先を見つけにあたって気をつけたことについて、見つかった避難先の病院についてである。 避難先を探すきっかけは、東日本大震災であり、災害発生時に普段通院している病院への避難は困難であると判断からである。病院探しの条件は、家の近くであること、高台で電源が確保されていること、小児科にはこだわらないことであった。新聞などマスコミに困っていることを投稿し、役所の関係者に語り続け、1年ほどして避難先となる病院から連絡があり、子どもの世話は親が見る事、病院は電源と部屋の貸し出しを条件に受け入れが可能となった。母親は、相手に迷惑をかけないことの重要性を訴えていた。つまり、自分が何ができるのか、どこをどう助けてほしいのかを明確に伝えることである。これは、自助を強化する事であり、そのうえで、共助を求めることである。また、日頃から外出をし、家から出るときは何が必要か考えていくことで、避難時に何が必要になるのかわかってくると話していた。これは、災害が日常生活の延長線上にあることを意味し、災害への備えは、日常的に行うことの重要性を意味している。今後は、医療的ケアを要する在宅療養児の保護者を対象に自助を強化していくための教育的関わりが必要となる。 これまでの研究結果をもとに医療的ケアを要する在宅療養児の災害ハンドブック~いざという時のための災害への備え~を作成した。このハンドブックを配布し、災害への備えについて広報した。
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