2015 Fiscal Year Annual Research Report
豪雨災害の経験・教訓の有効活用を可能にする災害履歴検索支援ツールの開発
Project/Area Number |
25350507
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西山 浩司 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20264070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 健一 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90404003)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 豪雨災害 / 土石流 / レーダー降水強度 / レーダー積算雨量 / 過去の災害履歴 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では豪雨災害が発生するたびに,気象状況及び災害に関わる情報が,新聞,データベース,論文,報告書等に記録され,蓄積されてきた.現在,そのような過去の災害履歴を教訓として,今後の豪雨防災に役立てる必要性が強く認識されている.そこで,本研究では,パターン認識技術を適用して豪雨の発生を診断し,当時の災害履歴の検索を支援するツールを開発した.また,気象データも無かった時代の古い災害記録を郷土資料から豪雨災害を抽出した.さらに,気象レーダーから豪雨を引き起こす特徴をまとめた.以上の結果を通して,今後の豪雨災害に備えて,過去の経験・教訓の有効活用を通して,災害リスクの判断に役立てる方法を考察した. 平成25年度,暖候期の九州列島の南西側に拡がる気象場のパターン認識(自己組織化マップの適用)を実施した.その結果,過去35年間の気象場のパターンと豪雨事例の対応関係を明らかにすることができた.その成果は豪雨災害リスクの診断に役立つ.平成26年度,広島市都市圏の土石流災害に着目して,気象データが残っていない過去の災害事例を旧自治体の郷土資料を利用して調べた.その結果,インターネット上には無い多くの災害事例を抽出することができた.その成果から,過去の災害の事実や教訓を今後起こり得る災害に備えることが可能になることが期待できる. 平成27年度は,気象レーダーの情報からレーダー積算雨量を算出し,早期に豪雨の可能性を察知する方法について考察した.2014年広島豪雨,2013年須佐豪雨,2009年福岡豪雨など中国・九州地方の豪雨の特徴についてまとめた結果,災害(洪水,土石流)が発生する以前から,雨量の集中を認識することが可能であることがわかった.そして,既に存在していた豪雨域が近づいてきて災害となった例も多かった.以上のような特徴を認識しておくことで,豪雨発生の早期察知,災害リスクの診断が可能になる.
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Research Products
(4 results)