2015 Fiscal Year Annual Research Report
流木・土砂氾濫災害における時間的経緯と住民の避難行動との関係に関する研究
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25350508
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
橋本 晴行 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70117216)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 氾濫災害 / 災害の時系列 / 避難行動 / 流木氾濫 / 土砂氾濫 / 洪水氾濫 / 星野川 / 黒川 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、氾濫被害の時間的経緯を現地調査、ヒアリング、水路実験等をもとに解明するとともに、住民へのアンケート調査を実施し、氾濫被害の時系列と比較することで、住民の災害時の避難避難行動の特性を明らかにしたものである。調査対象地域は2012年九州北部豪雨災害における阿蘇市黒川流域、八女市星野川流域および2013年山口・島根豪雨災害の萩市と津和野町である。得られた結果は以下のとおりである。
（1）阿蘇市黒川流域では、浸水被害は、早いところで2012年7月12日4時頃から、多くは５時過ぎに集中した。土砂災害は早いところで5時頃から、多くは６時前後に集中的に発生した。一方、八女市星野川流域では、浸水被害は早いところで7月14日5時頃から、土砂災害は7時頃から発生し始めた。従って、水害と土砂災害が複合的に発生する地域では、水害が土砂災害に先行する形で災害が進行することが理解された。このような特性は、予測の困難な土砂災害について、予測の一助となることが示された。
（2）八女市星野川流域の災害では、アンケート回答者の85％の住民は危険を感知し、67％の住民は避難の呼びかけを受け、57％の住民は避難行動を起こした。しかしながら、その多くは、「浸水被害が始まってから避難しており」、さらには避難の呼びかけを受けて「受動的に避難行動を起こした」ことが示された。他の地域の災害についても同様な傾向が示された。
（3）八女市星野川、津和野町名賀川流域の災害では流木が大量に流出し氾濫した。特に橋梁設置箇所において流木が捕捉され氾濫を助長した。そのため、橋梁など河道内の障害物と捕捉流木量との経験式が求められた。さらに、捕捉流木群による水位上昇量を損失係数により普遍的に表現されることを示した。その結果、捕捉流木群による氾濫の経緯を評価することが可能となった。
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