2013 Fiscal Year Research-status Report
濡れ性に基づく流体制御技術の構築とバイオセンサの迅速・高感度化
Project/Area Number |
25350517
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
山口 昌樹 岩手大学, 工学部, 教授 (50272638)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 計測工学 / 生物・生体工学 / 分子認識 / 流体工学 / ストレス |
Research Abstract |
本研究では,物質表面のマイクロメーターからナノメーター領域の微細周期構造を設けることが,超撥水性・超親水性といった濡れ性の制御に有効であることに着目している。そして,微細周期構造を,分子識別素子の流路機構設計や,信号変換素子の洗浄機構に取り入れ,バイオセンサの流体制御技術を構築することを目的としている。 本年度は,唾液採取器具の考案・試作,診断アルゴリズムの考案と,試作したイムノセンサの総合評価を行った。 1. 濡れ性の制御 フォトリソグラフィーでナノメーター領域のシリコン型 (Si モールド) を試作した。実験と理論の両側面から,その接触角を評価し,濡れ性表面の設計技術の構築を行った。Wenzelモデルの3次元展開を行った結果,接触角の定量的な設計が可能であることを示した。この結果は,英文学術論文として掲載された。 2. 流体弁の構築 直径120 mm のディスク状チップの表面に流路と反応室を複数配置し,撥水性と遠心力を利用してサンプル溶液の移動を制御する流体弁を考案し試作した。流路形状の長さ l,幅 w,溝深さ d をパラメータとして最適化を図ったところ,唾液サンプルにおいて,回転数 (遠心力) の制御のみで開閉を制御できる流体弁を実現できた。また,表面の前処理方法として3種類を比較検討し,検出感度の向上を図った。 また,本年度の成果は,国内外の雑誌論文5編,学会発表6件,著書4編等で報告した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に計画した2つの課題を達成した。
|
Strategy for Future Research Activity |
微細周期構造による濡れ性の付与を活用した化学的処理を不要とした反応領域の制御と,複数の流体弁を直列に組合せた迅速・完全な洗浄機構の開発という2つの課題に取り組む。
|
Research Products
(18 results)