2015 Fiscal Year Annual Research Report
抗FGF2アプタマーを用いた関節リウマチの病態制御
Project/Area Number |
25350522
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
石黒 亮 法政大学, マイクロ・ナノテクノロジー研究センター, 研究員 (70373264)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | RNA / FGF2 / アプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では関節リウマチの病態形成に関わる線維芽細胞増殖因子FGF2に対するRNAアプタマーを創成し、発症機序解明と治療薬の開発を目的としている。線維芽細胞増殖因子(FGF; fibroblast growth factor)はヘパリン結合性増殖因子で、細胞増殖因子、血管新生因子、神経栄養因子として広い機能を有し、間葉系細胞、神経外胚葉細胞、内皮細胞を含む様々な種類の細胞の増殖を促進する。中でもFGF2は骨形成促進作用を有する一方で、高濃度に於いては骨吸収因子として機能することが明らかとなってきた。ヒトやマウスの関節リウマチはFGF2が強く発現していることが報告されており、①関節部位での血管新生、②滑膜細胞から産生される破骨細胞形成抑制因子(OPG/ OCIF)の発現抑制、③骨芽細胞からのRANKL(Receptor activator of nuclear factor kappa-B ligand)の発現促進、を通じて破骨細胞への分化を促進する可能性が示唆されている。申請者が作製した抗FGF2アプタマーはFGF2依存的なシグナルを強く遮断して、リウマチ関節炎モデルマウスを用いた投与試験で明らかな予防及び治癒効果を示す。本研究ではin vivoにおけるアプタマーの薬効試験、GPI誘導関節炎モデルを用いて行った。GPI誘導関節炎モデルで、アプタマーは免疫直後より腹腔内投与を隔日で行い、関節炎の発症及び病徴を非投与群と比較した。この結果病態形成後にアプタマーを投与した場合に於いても明らかな病態の軽減や早期の回復が確認された。アプタマーの改変でより血清中安定性の高かった候補品の投与を行い、より薬効の高い候補の絞り込みを達成することが出来た。 また、アプタマー選抜技術を改良し、生体内で機能するRNAの高次構造を特定する手法を開発することが出来た。
|