2014 Fiscal Year Research-status Report
OCTダイナミック解析による手掌部発汗量精密測定と発汗異常症診断への応用
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25350528
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近江 雅人 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60273645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横関 博雄 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90210608)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | OCT / 精神性発汗 / 掌蹠多汗症 / 適応しきい値法 / 連結抽出処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.OCTによる掌蹠多汗症の臨床診断応用 掌蹠多汗症などの発汗異常症は、患者への精神的な苦痛によりQOLが著しく低い疾患である。本研究課題で開発する発汗量の定量測定法を用いて、発汗異常症患者と健常者の汗腺構造の違いを評価する基礎データを蓄積した。実験では、中心波長1325んm、光軸方向の分解能12ミクロンの光周波数掃引型OCT(SS-OCT)を用いた。被験者指先指紋部分の鉛直断面OCT(en face OCT)を構築して、エクリン汗腺に関心領域(ROI)を設定した。3次元OCT像から適応しきい値法によって最適なしきい値を設定し、汗腺のみを連結抽出処理によってボリュームレンダリング像を構築した。多汗症患者と健常者のOCTイメージを比較に関しては、特にOCTイメージにおける汗腺の傾きを考慮した重心を求めて、汗腺の体積、導管の長さ、平均導管半径を求めるプログラムを開発した。 2.OCTによる発汗異常症の臨床診断応用 本研究を通して、手掌多汗症患者と健常者の汗腺を比較した。その結果、平均導管半径びおいて14.0~14.5ミクロン付近に境界があり、多汗症患者の汗腺の構造は太く発達していることが明らかになった。さらに、塩化アルミニウム塗布治療における多汗症患者の平均導管半径は約1.1ミクロン減少していることが明らかとなった。今後はイオンフォトレーシスによる多汗症の治療効果の評価も検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は順調に進展し、実験データの蓄積および研究成果等が国内外の学会にて発表を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果を踏まえて、今後は本研究による発汗異常症の重症度の評価に応用していく予定である。特に汗腺の3次元構造解析により、多汗症患者の平均導管半径を計測して有意差を検討する。 エクリン汗腺の精神性発汗は交感神経の興奮度を反映する。OCTによる精神性発汗の動的解析とレーザドップラー血流計測による末梢血流量を組み合わせて、自律神経活動との相関を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
少額の研究用物品費が残っており、本年度の研究費に使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
光干渉計用の光学部品の購入に使用する予定である。
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