2015 Fiscal Year Annual Research Report
新奇バイオマテリアルを目指したUCST型温度応答性ポリペプチドの設計
Project/Area Number |
25350552
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
嶋田 直彦 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (10423972)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 温度応答性高分子 / UCST / ポリペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
生理的条件下において低温溶解型(LCST型)で相変化を示す高分子は数多く存在するが、高温溶解型(UCST型)相変化する高分子は非常に少ない。そのような高分子を開発することは新たなバイオマテリアル設計において革新的な進歩が期待される。我々は今までにウレイド基を有する高分子が生理的条件下においてUCST型相分離挙動を示すことを報告してきた。また、ウレイド基を持つ天然のアミノ酸で構成されているポリシトルリン共重合体もUCST型相分離挙動を示すことを報告してきた。平成25年度から平成26年度にかけてシトルリンの光学活性に着目し、L体、DL体で構成されるポリシトルリン共重合体の二次構造とUCST型挙動の差異について研究を行った。平成27年度はD体のNCSモノマーを合成し、D体から成るポリシトルリン共重合体の2次構造並びにUCST型挙動について調べた。作製したD体ポリシトルリン共重合体もUCST型挙動を示すことが判った。その相分離温度はL体とほぼ同じであった。また二次構造を調べるためにCDスペクトルを測定したところ、左巻きヘリックスに由来する正のシグナルを示した。さらに生分解性を調べた。プロテアーゼKによる分解挙動を調べた結果、ほとんど分解されないことがしめされた。これはL体やDL体で構成される共重合体は分解挙動を示したことと対照的な結果となった。このように、光学活性を制御することで、相分離温度や生分解性をコントロールでき、優れたUCST型ポリペプチドの設計が可能であることがわかった
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Research Products
(5 results)