2014 Fiscal Year Research-status Report
子宮内胎児外科手術における内視鏡画像マッピングシステム
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25350561
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 英津子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20345268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 敏雄 独立行政法人国立成育医療研究センター, 医療機器開発室, 副センター長 (20171944)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低侵襲治療システム / 内視鏡画像マッピング / コンピュータ外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、初年度に行った超音波モデルと内視鏡画像のレジストレーションにおける基礎的検討結果を元に、3次元超音波画像への内視鏡画像マッピングシステムを構築した。本システムは超音波画像による内視鏡初期位置計測、ビジョンベーストラッキング、画像張り合わせ、テクスチャマッピングという4つの構成要素からなる。超音波画像による位置決めにおいては主成分分析法を用いることにより、内視鏡先端部でのアーチファクトによる誤差の影響を軽減するアルゴリズムを提案した。画像張り合わせ技術においては、特に特徴点検出が困難な胎盤画像に対して、特徴点の分布によるエラー検出法を提案することにより安定した特徴点検出を提案した。ビジョンベーストラッキングにおいては、三次元超音波モデル上に対応する内視鏡画像上の特徴点を配置することにより、従来用いられていた外部のトラッキングセンサを用いることなく、内視鏡位置計測を実現した。開発したシステムにおいて胎盤ファントムによる誤差評価を行った結果、血管分岐部等の特徴点間の距離誤差が、20フレーム後にRMS誤差1.1mmとなり、高精度な位置決めが可能であることを確認した。摘出したサル胎盤による定性的な評価を行った結果、広範囲の内視鏡マップが作成可能であった。 また、胎児内視鏡による胎盤画像の低い視認性の問題に対し、狭帯域画像を利用した血管強調画像作成法を提案した。具体的にはサルの摘出胎盤に対し、ハイパースペクトルカメラで分光撮影し、血管と胎盤組織のスペクトルを取得後、胎盤と血管のコントラストが高くなる波長帯を選択し画像化した。これにより画像の輝度値の分散がRGB画像より1.86倍高くなる結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的であった、高価な3次元位置計測装置を用いない、3次元超音波画像への内視鏡画像マッピングシステムを構築し、精度評価および摘出胎盤での検証を行った。また内視鏡画像のコントラスト向上手法の検討も行い、一定の成果を得た。よって順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、これまで構築したシステムを用い術者に対するナビゲーションシステムを作成する。可能であれば動物実験を行い、胎動の検証、システムのロバスト性、精度評価など有用性検証を行う。 コントラスト向上を目的とした胎盤分光画像取得については、より定量的な手法を検討し、実用性を評価する。
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Causes of Carryover |
画像コントラスト向上のためのカメラ等を購入予定であることと、動物実験のための経費を用意している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
カメラ等の消耗品の購入および動物実験のための諸費用に用いる予定である。
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