2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350563
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
内山 勝晴 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (10456428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 正和 金沢大学, 医学系, 教授 (70393238)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ステント摘出 |
Research Abstract |
血管内治療におけるステントの使用は年々増加の一途であり、手術侵襲の軽減のみならず外科治療に比べた場合、入院期間の短縮など一件当たりの医療費軽減にも寄与してきた。しかし、不適切な留置や、再狭窄を生じたステントを放置すれば、将来的に新たな合併症を来たす可能性が高い。 今回開発する経皮経管的血管内ステント摘出システムを用いることにより、不必要なステントを体内に残存させることがなくなり、より効率のよい血管内治療が推進可能と推察される。 本開発プロジェクトは、実地臨床において問題視されていたにもかかわらず、その施行が不可能と考えられていた、再狭窄を来たした血管内ステントの効率よい摘出・除去を目指すものである。本開発研究においては、独自のアイデアに基づき既にデバイスの原型が試作され、さらに改良を重ねつつある。本研究では、既に試作されたステント摘出デバイスの更なる機能向上に取り組み、大型動物モデル実験を経て臨床応用にまで到達し、その有用性を明らかにしようとするものである。前臨床試験として金沢大学医学部動物実験センターにて、ブタ冠動脈/ブタ頚動脈を標的とし、ここに留置した血管ステントの摘出除去効果を検討する。そのポイントはデバイス先端の鉗子構造とデバイスシャフトの柔軟性であり、この点を特に重点的に検証する。 具体的には、放射線透視下にてカテーテルを使用し、ブタ冠動脈/ブタ頚動脈にステントを留置する。本年度は、より柔軟性をもたらしたデバイスシャフトに改良し、デバイスの改良に重点を置いた。実際、ブタ頚動脈を標的に留置したステントまでスムーズに誘導す可能であることを確認した。さらに、ステント留置直後のステント摘出を試みたが、インナーガイドカテーテルなしでのステント摘出は困難であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロトタイプのステント摘出デバイスを用いた基礎データに関しては進展し、学会報告や論文掲載に至っており、また柔軟性をもたらしたデバイスシャフトの改良・開発までは至っているが、ブタ頸動脈の実験ではインナーカテーテルなしでのステント摘出が把持力の問題にて困難であり、時間を要している。インナーカテーテルの操作の工夫などにて遅れを取り戻すように努力する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
実臨床で遅発性ステント血栓症の原因の一つとされ、ステント摘出の必要性が急務である疾患概念である、acquired incomplete stent appositionの近似モデルとして、ステントを意図的に不完全拡張させた状態としたステント不完全圧着モデルを作成し、再度ステント摘出を試みる。またインナーカテーテルを用いてより確実なステント摘出法を考案し、このモデルを用いてステント留置直後のみならず、ステント留置3ヶ月後の慢性期での摘出も試み、標標的部位のみならず、周辺血管組織に与える傷害などを組織レベルで検証する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ステント摘出デバイスの改良のために一時実験を中断せざるを得なくなったため、その間のブタ購入、飼育費などが停滞したことによる。 停滞した実験は、主に翌年度分のブタ購入および飼育費に宛てる予定である。
|