2014 Fiscal Year Research-status Report
超音波による新しい多臓器包括的老化指標の開発と生活習慣病の総合的管理の効果解析
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25350567
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
舛形 尚 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (70263910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 彰一 香川大学, 医学部附属病院, 名誉教授 (30145049)
岡田 宏基 香川大学, 医学部, 教授 (00243775)
清水 裕子 香川大学, 医学部, 教授 (10360314)
合田 文則 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (90294769)
樋本 尚志 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (20325343)
犬飼 道雄 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60572667)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超音波 / 生活習慣病 / 老化 / 動脈硬化 / 臓器障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生活習慣病患者を対象として超音波法で評価される心機能と動脈硬化進展度の関係を種々の臓器の間で検討を行った。メタボリック症候群では心臓臓器障害の特徴として、左室肥大よりも左室拡張障害として表現されやすいことを明らかにした。また、高血圧による腎機能障害は左室拡張能よりも左室肥大により良好な相関を示すことを明らかにした。さらに加齢自体が心機能障害に及ぼす影響が大であることを示し、生活習慣病の心機能評価には、年齢を加味する重要性を明らかにした。 また生活習慣病患者の肺年齢と呼吸機能は動脈硬化指標や心機能障害と相関することを明らかにし、現在肺機能および肺年齢と炎症マーカーや酸化ストレスとの関連性について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者および生活習慣病患者(40歳代~90歳代)を対象として、心臓年齢は心臓超音波法による左室肥大、左室拡張能障害を基に作成した(21-23年度基盤Cの研究成果で得られた指標)指標で形態的・機能的に測定した。脳年齢は頸動脈エコーでの頚動脈プラークスコアを計測して評価する。さらに脳臓器障害については脳MRIを用いて大脳白質病変、脳萎縮、無症候性脳梗塞を加味し総合的に評価した。骨年齢は超音波骨密度測定装置(A-1000 InSight、GEヘルスケア社製)を用いて計測した。肺年齢は日本呼吸器学会が提唱する方法を用いて呼吸機能検査結果から計測した。 (1)動脈の硬さとの関係:血圧・脈波計測装置(フクダ電子社製)を用いて上腕-足首間の動脈の硬さ指標(CAVI:Cardio-Ankle Vascular Index)を計測し動脈硬化度を計測した。またコーリン社製血圧脈波計測装置を用いて、脈波速度(baPWV: brachial-ankle pulse wave velocityも計測した。以上の動脈硬化の指標と多臓器包括的老化指標、臓器障害との関連性について検討を行った。 (2)動脈硬化のバイオマーカーとの関係:血液サンプルから高感度CRP、BNPの測定を行い、動脈硬化と多臓器包括的老化指標、臓器障害との関係を明らかにする。 (3)酸化ストレス度との比較:動脈硬化性臓器障害の原因となる酸化ストレス度を評価するため酸化ストレスマーカーとして尿中8-0HdGを測定し、多臓器包括的老化指標、臓器障害との関係を検討する。 以上のデータ集積は順調に進んでいるため研究の進行はおおむね順調と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は高血圧、糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病患者900人(10歳代~90歳代)を対象として、上記の多臓器包括的老化指標を計測する。高血圧、糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドロームなどの患者が保有する心血管事故危険因子と多臓器包括的老化指標の関係を検討し、心血管危険因子が臓器間老化のバランスに及ぼす影響について検討する。
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Causes of Carryover |
今年度はデータ集積のための薬品費が当初予想よりも少額で終わったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度は集積データの解析のためのソフト購入や成果発表の旅費のため必要な助成金として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)