2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25350569
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田川 憲男 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (00244418)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超解像イメージング / 合成開口イメージング / パルス圧縮 / 性能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度より本研究予算に基づいて開発・提案しているSA-SCM(Synthetic Aperture-Super resolution FM-chirp Correlation Method)に対し、その詳細な性能評価を行った。 SA-SCMは、我々が既に提案しているSCMを合成開口方式へと拡張し、SCMの欠点(各画像ラインの生成のために多数回のパルス送受信が必要)を解決するものである。SCMでは、各方向に向けて周波数の異なる複数の超音波ビームを送信し、そのエコーを獲得する必要があるため、実時間画像化には不向きである。合成開口方式では、画像化対象領域全体に拡散波を送信し、全方向からのエコーを一括して同時に獲得できるため、異なる周波数の送受信を1回ずつ行うことで、全領域の超解像が可能となる。このことは、一般的な合成開口イメージングにおいて、各送信の周波数を変化させるのみで超解像が実現できることを意味し、実時間性が大幅に向上する。一方で、SCMに対するデメリットも存在する。 今年度は、有限要素法シミュレーションによって詳細に検討した。拡散波を用いること自体よりも、拡散波をプローブの異なる位置から送信することが性能劣化に強く関わっていることが確認できた。異なる位置から異なる周波数の拡散波を送信することにより、信号空間と雑音空間の分離に曖昧性が生じることが、エコーが構成する関数空間の固有値解析の結果から明らかとなった。このことを考慮すると、受信ビーム形成の後でSCM処理を行うのではなく、振動子毎にそれぞれが受信するエコーに対してSCMを行った後、遅延加算によるビーム形成を行う方法が、上記現象の解決策の一つと考えられる。今年度は更に、超音波プラットフォームを用いた実験により、素子数が十分ではないが、SA-SCMの有効性が確認できた。
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