2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350578
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
小林 誠 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20460355)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿川 真紀子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (10359713)
山田 外史 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (80019786)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ELF-EMF |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目標は、1.呼吸器系上皮細胞(BEAS-2B、A549)とTリンパ球(Jurkat)の3培養細胞株を用いた交流磁場曝露併用による薬理作用増強効果の測定、2.シスプラチン耐性培養細胞株の樹立、3.シスプラチン耐性培養細胞を用いた磁場曝露併用による薬理作用増強効果の測定、の3点であった。
1.ヒト肺がん由来上皮細胞(A549)を用いて交流磁場曝露併用による薬理作用増強効果を、コロニーフォーメーションアッセイ法にて測定した。A549細胞を10% FBS・DMEM培地で培養し、シスプラチン(1.5-4.5μg/ml)および交流磁場(60Hz, 50mT)で24時間刺激した。磁場曝露併用群はシスプラチン刺激のみに比べ、およそ1.1倍のシスプラチン薬理作用の増強を認めた。この結果を、第37回日本分子生物学会年会(2014年11月・神奈川県横浜市)および第55回日本呼吸器学会学術講演会(2015年4月・東京都千代田区)で報告した。肺がん由来細胞株に加え、正常上皮細胞(BEAS-2B)および Tリンパ球(Jurkat)についても同様に解析を進めている。また正常マウス肺および脾臓より分離したマクロファージ・リンパ球に交流磁場を曝露したときの生体反応を解析している。
本年度は、2.シスプラチン耐性培養細胞株の樹立、3.耐性株を用いた交流磁場曝露併用による薬理作用の増強効果の測定、について検討を予定していたが、上述のA549細胞による薬理作用増強条件の探索および交流磁場曝露が免疫細胞に与える影響の解析がより重要であると考え優先させたため、実施していない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の全期間を通じた目標は、ヒト由来培養細胞株において、交流磁場曝露併用によるシスプラチン薬理作用の増強効果を確認することである。この点では、A549細胞にて殺細胞効果の有意な増強が確認されたため、概ね達成されたと考える。
近年、気道上皮の炎症にリンパ球などの免疫細胞が分泌するサイトカインが関与する報告が増えている。また免疫細胞が交流磁場刺激を受けることで炎症性サイトカインを分泌する報告もあることから、実施中の交流磁場刺激条件における各種免疫細胞の生体反応を確認が必要がある。正常マウス肺および脾臓より分離した初代培養細胞またはヒト由来リンパ球培養細胞株(Jurkat)を用いて、これについて解析を始めている。これまでのところ、シスプラチンなど抗がん剤を投与せず交流磁場のみの刺激では、MTTアッセイによる細胞増殖能、Annexin-V法によるアポトーシス誘導については、非曝露群と比べ差はみられない。また細胞表面マーカーを用いたリンパ球の細胞機能の変化を解析したが、これも交流磁場刺激のみでは変化はみられない。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.薬理作用増強効果の増大を示す交流磁場曝露条件の探索 本年度は1.1倍の作用増強効果を認める交流磁場曝露条件を決定した。しかしながら抗がん剤の投薬量を減らすことで全身に起こる副作用を低減させることを目的とした医療技術として利用するには効果が小さい。H27年度はより大きな作用増強効果を示す曝露条件の探索を目指す。
2.A549細胞における薬理作用増強メカニズムの解析 交流磁場曝露によるシスプラチン殺細胞作用の増強に関わるメカニズムを解析する。MTTアッセイ法による細胞増殖能、Annexin-V法によるアポトーシスの検出、γH2AX法によるDNA損傷の検出などを計画する。
3.マクロファージ・リンパ球など免疫細胞における交流磁場刺激による生体反応の確認 正常および自然免疫受容体を欠損したマウスより採集した免疫細胞を用いて、シスプラチン、交流磁場刺激による生体反応を解析する。今年度実施の各種細胞死実験に加え、これら刺激によるサイトカイン等の分泌の有無をELISA法やフローサイトメトリー法にて解析する。
|
Research Products
(20 results)
-
-
[Presentation] 閉塞性睡眠時無呼吸症候群における覚醒時CO2換気応答と上気道病態の検討2015
Author(s)
齋藤雅俊, 中瀬啓介, 野尻正史, 加藤 諒, 北楯祥子, 四宮祥平, 東野茉莉, 高原 豊, 小林 誠, 小島好司, 藤本由貴, 及川 卓, 中川 研, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久
Organizer
第55回日本呼吸器学会学術講演会
Place of Presentation
東京国際フォーラム(東京都千代田区)
Year and Date
2015-04-17 – 2015-04-19
-
-
[Presentation] アミオダロン肺障害における肺サーファクタント代謝の関与2015
Author(s)
北楯祥子, 長内和弘, 野尻正史, 中瀬啓介, 加藤 諒, 四宮祥平, 東野茉莉, 高原 豊, 齋藤雅俊, 小林 誠, 小島好司, 藤本由貴, 中川 研, 及川 卓, 水野史朗, 栂 博久
Organizer
第55回日本呼吸器学会学術講演会
Place of Presentation
東京国際フォーラム(東京都千代田区)
Year and Date
2015-04-17 – 2015-04-19
-
[Presentation] 中枢性睡眠時無呼吸患者の重症度と二酸化炭素換気応答の比較2015
Author(s)
小島好司, 中瀬啓介, 野尻正史, 加藤 諒, 東野茉莉, 北楯祥子, 四宮祥平, 小林 誠, 高原 豊, 齋藤雅俊, 藤本由貴, 中川 研, 及川 卓, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久
Organizer
第55回日本呼吸器学会学術講演会
Place of Presentation
東京国際フォーラム(東京都千代田区)
Year and Date
2015-04-17 – 2015-04-19
-
-
[Presentation] 蜂窩織炎を契機として呼吸不全増悪を認めた肥満低換気症候群の1例2014
Author(s)
中瀬啓介, 及川 卓, 野尻正史, 加藤 諒, 四宮祥平, 北楯祥子, 東野茉莉, 高原 豊, 小林 誠, 齋藤雅俊, 小島好司, 藤本由貴, 中川 研, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久
Organizer
第73回呼吸器合同北陸地方会第74回日本呼吸器学会
Place of Presentation
福井大学(福井県吉田郡)
Year and Date
2014-11-08 – 2014-11-09
-
[Presentation] カルバマゼピンによる薬剤性肺炎の1例2014
Author(s)
佐久間貴士, 中川 研, 野尻正史, 中瀬啓介, 加藤 諒, 四宮祥平, 北楯祥子, 東野茉莉, 高原 豊, 齋藤雅俊, 小島好司, 藤本由貴, 小林 誠, 及川 卓, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久
Organizer
第73回呼吸器合同北陸地方会第74回日本呼吸器学会
Place of Presentation
福井大学(福井県吉田郡)
Year and Date
2014-11-08 – 2014-11-09
-
[Presentation] 両側大量胸水をきたした肺吸虫症の1例2014
Author(s)
野尻正史, 中川 研, 中瀬啓介, 加藤 諒, 北楯祥子, 四宮祥平, 東野茉莉, 高原 豊, 齋藤雅俊, 小島好司, 藤本由貴, 小林 誠, 及川 卓, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久
Organizer
第73回呼吸器合同北陸地方会第74回日本呼吸器学会
Place of Presentation
福井大学(福井県吉田郡)
Year and Date
2014-11-08 – 2014-11-09
-
[Presentation] 重症睡眠時無呼吸症候群による肺高血圧症を認めたダウン症患者の1例2014
Author(s)
門野 至, 四宮祥平, 中瀬啓介, 野尻正史, 加藤 諒, 北楯祥子, 東野茉莉, 高原 豊, 小林 誠, 齋藤雅俊, 小島好司, 藤本由貴, 及川 卓, 中川 研, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久
Organizer
第73回呼吸器合同北陸地方会第74回日本呼吸器学会
Place of Presentation
福井大学(福井県吉田郡)
Year and Date
2014-11-08 – 2014-11-09
-
-
[Presentation] Platelet endothelial cell ashesion molecule-1 expression in blood cells from patients with chronic obstructive pulmonary disease2014
Author(s)
R.Kato, S.Mizuno, M.Kobayashi, T.Oikawa, K.Nakagawa, K.Osanai, M.Kadowaki, T.Ishizaki, H.TogaR.Kato, S.Mizuno, M.Kobayashi, T.Oikawa, K.Nakagawa, K.Osanai, M.Kadowaki, T.Ishizaki, H.Toga
Organizer
European Respiratory Society 2014 International Congress
Place of Presentation
Munich, Germany
Year and Date
2014-09-06 – 2014-09-10
-
-
[Presentation] 診断に難渋した気道異物の一例2014
Author(s)
野尻正史, 中川 研, 中瀬啓介, 加藤 諒, 北楯祥子, 四宮祥平, 東野茉莉, 高原 豊, 小林 誠, 齋藤雅俊, 小島好司, 藤本由貴, 及川 卓, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久
Organizer
第58回日本呼吸器内視鏡学会第72回呼吸器合同北陸地方会
Place of Presentation
金沢医科大学(石川県河北郡)
Year and Date
2014-05-31 – 2014-06-01
-
[Presentation] 経過の異なるTrichosporon asahii抗体陽性過敏性肺臓炎の2例2014
Author(s)
加藤 諒, 野尻正史, 中瀬啓介, 北楯祥子, 四宮祥平, 東野茉莉, 高原 豊, 小林 誠, 齋藤雅俊, 小島好司, 藤本由貴, 及川 卓, 中川 研, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久
Organizer
第73回日本呼吸器学会第72回呼吸器合同北陸地方会
Place of Presentation
金沢医科大学(石川県河北郡)
Year and Date
2014-05-31 – 2014-06-01
-
[Presentation] 急速進行性間質性肺炎を併発したamyopathic dermatomyositisの1剖検例2014
Author(s)
新谷明里, 加藤 諒, 野尻正史, 中瀬啓介, 北楯祥子, 四宮祥平, 東野茉莉, 高原 豊, 小林 誠, 齋藤雅俊, 小島好司, 藤本由貴, 及川 卓, 中川 研, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久, 三木美由貴, 湊 宏
Organizer
第73回日本呼吸器学会第72回呼吸器合同北陸地方会
Place of Presentation
金沢医科大学(石川県河北郡)
Year and Date
2014-05-31 – 2014-06-01
-
[Presentation] サルコイドーシスとの鑑別が問題となった肺癌の1例2014
Author(s)
中島健人, 野尻正史, 中瀬啓介, 加藤 諒, 北楯祥子, 四宮祥平, 東野茉莉, 高原 豊, 小林 誠, 齋藤雅俊, 小島好司, 藤本由貴, 中川 研, 及川 卓, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久, 田中 良, 薄田勝男, 佐川元保, 佐久間勉, 佐藤勝明
Organizer
第73回呼吸器学会第72回呼吸器合同北陸地方会
Place of Presentation
金沢医科大学(石川県河北郡)
Year and Date
2014-05-31 – 2014-06-01
-
[Presentation] 小腸転移を呈した肺癌の2症例2014
Author(s)
中瀬啓介, 野尻正史, 加藤 諒, 北楯祥子, 四宮祥平, 東野茉莉, 高原 豊, 小林 誠, 齋藤雅俊, 小島好司, 藤本由貴, 及川 卓, 中川 研, 水野史朗, 長内和弘, 栂 博久
Organizer
第73回日本呼吸器学会第72回呼吸器合同北陸地方会
Place of Presentation
金沢医科大学(石川県河北郡)
Year and Date
2014-05-31 – 2014-06-01
-
[Presentation] Gene polymorphisms of p53 at codon 72 and mdm2 snp309 regulates cigarette smoke induced lung cell apoptosis2014
Author(s)
S.Mizuno, T.Ishizaki, J.G.Gomez-Arroyo, D.Kraskauskas, N.F.Voelkel, M.Kobayashi, K.Osanai, H.TogaS.Mizuno, T.Ishizaki, J.G.Gomez-Arroyo, D.Kraskauskas, N.F.Voelkel, M.Kobayashi, K.Osanai, H.Toga
Organizer
American thoracic society international meeting 2014
Place of Presentation
San Diego, USA
Year and Date
2014-05-16 – 2014-05-21
-
[Presentation] ラット肺におけるRab38低分子量Gタンパク質と相互作用する分子の探索2014
Author(s)
小林 誠, 長内和弘, 加藤 諒, 東野茉莉, 高原 豊, 山谷淳代, 小島好司, 藤本由貴, 及川 卓, 中川 研, 水野史朗, 栂 博久
Organizer
第54回日本呼吸器学会学術講演会
Place of Presentation
大阪国際会議場(大阪府大阪市)
Year and Date
2014-04-25 – 2014-04-27