2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25350579
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Research Institution | Aichi University of Technology |
Principal Investigator |
永野 佳孝 愛知工科大学, 工学部, 教授 (40610142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 茂 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (00293697)
松原 功明 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10422776)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳神経外科 / バーチャルリアリティ / GPGPU / 術前計画 / コイル塞栓術 / 粒子法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳動脈瘤コイル塞栓術の術前計画を支援するため、治療手法であるカテーテルとコイルとを挿入できるシミュレータの開発を目的としている。平成27年度は、3年計画の最終年として、リアルタイムなシミュレーションを維持しながら脳動脈瘤に挿入できるコイルの形状を増やした二次試作品を完成させ、脳神経外科専門医による評価を行った。 本シミュレータには、術者のコイル挿入操作に合わせたリアルタイム動作が必要であり、計算資源の使用効率の向上だけでなく、実際の挿入状況を比較しつつ計算量を減らす工夫がなされている。シミュレータを動作させるPCへの実装にあたり、CPUのマルチコアとグラフィックボードにおけるGPGPUを併用した。シミュレーション計算においては、GPGPUで計算しやすいようにコイルを粒子で表現した。動脈瘤内で各コイルが所定の形状を形成するために、粒子間をバネで直線状に接続するだけでなく、粒子間に方向ベクトルによる方向バネを用いた。方向ベクトルはコイルの状態によって回転するため、この回転角には、周辺粒子の各粒子間の方向と方向ベクトルとの角度差を最小とする角度を用いる手法を使用した。 脳神経外科専門医によるシミュレータの評価では、螺旋形状や籠型形状のコイルが脳動脈瘤に挿入されていく動作に関して、基本的に問題のないことが示された。一方、ステントやバルーンを併用した最新の治療方法に対応するためには、本シミュレータを基盤にした機能拡張が必要であることが明らかになった。
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