2015 Fiscal Year Annual Research Report
独自のマイクロチップによる疾患マーカータンパク質・核酸の同時かつ簡便な検出
Project/Area Number |
25350581
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
細川 和生 国立研究開発法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 専任研究員 (00373366)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 検査・診断システム / マイクロチップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,がんの早期診断への応用を目指し,新旧バイオマーカー(血中マイクロRNAおよびタンパク質)を自律駆動マイクロチップとLFDA(laminar flow-assisted dendritic amplification) を用いて簡便かつ高感度に検出できるデバイスの開発を目的としている.これまでに複数のマイクロRNA(miRNA)を同時に検出することに成功し,また,生体由来のトータルRNAから目的のmiRNAを特異的に検出できることを定性的に確認した.今年度はmiRNA検出の特異性に関してより深い検討を行った.まず配列が1塩基または2塩基だけ異なるmiRNAに対するマイクロチップの応答を調べたところ,2塩基異なるものに対しては全く応答せず,1塩基異なるものに対してはわずかに応答したが,応答量は目的配列のものに比べて数%に過ぎなかった.次に,目的配列をその一部として含む前駆体pre-miRNAに対するマイクロチップの応答を調べたところ,3種類の配列(miR-16, -21, -451)に対して非特異的な応答は全く見られず,良好な特異性が確認された.次に,生体由来サンプルに対する特異性を定量的に評価するため,市販のヒト白血球トータルRNAからマイクロチップを用いて4種類のmiRNA(miR-16, -223, -451, cel-miR-39)濃度を測定し,定量PCRによる測定値と比較した.その結果,これら4組の測定値はよく一致し,マイクロチップによる検出が定量的にも良好な特異性を示すことが分かった.また,抗体を用いてメチル化DNA検出の実験を行い,核酸のハイブリダイゼーションと抗原抗体反応が本マイクロチップで同時に行えることを実証した.
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