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2014 Fiscal Year Research-status Report

キセノン光線の星状神経節近傍照射を用いた新しい睡眠改善法の開発

Research Project

Project/Area Number 25350588
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

吉田 英樹  弘前大学, 保健学研究科, 講師 (20400145)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsキセノン光線 / 星状神経節 / 睡眠 / リラクセーション / 前頭前皮質 / 脳血流
Outline of Annual Research Achievements

1. 目的
本研究では、キセノン光線の星状神経節近傍照射(Xe-LISG)を用いることで、「即時的な睡眠導入につながるような生理学的変化」が起こり得るか否か、さらに「睡眠の質の改善」が得られるか否かの二点について検討することを目的とした。
2. 対象と方法
[実験1]本研究への参加に書面による同意の得られた健常者17名を対象として、各対象者に対して①安静仰臥位での10分間のXe-LISGと、②Xe-LISGを伴わない10分間の安静仰臥位保持(コントロール)の2条件を実施順序をランダムとした上で、日を改めて実施した。検討項目としては、Xe-LISGおよびコントロール実施中の前頭前皮質の脳血流量と心拍ゆらぎ成分(LF/HF)に注目した。[実験2]本研究への参加に書面による同意の得られた健常者11名を対象とし、対象者を介入群(土日を除く2週間、Xe-LISGを継続的に受ける群)とコントロール群(2週間、Xe-LISGを受けない群)の2群にランダムに振り分けた。その上で、各群の前述した2週間の通常就寝中の睡眠得点の平均値を算出した。また、各群について、前述の2週間が終了した時点から1ヵ月経過時点での2週間の通常就寝中の睡眠得点の平均値も算出した。
3. 結果と考察
実験1では、コントロールと比較してXe-LISG実施中での脳血流量とLF/HFの低下傾向を認めた。一方、実験2では、各群間および各時点間での睡眠得点に明らかな違いを認めなかった。実験1の結果は、Xe-LISGにより脳機能の沈静化や交感神経活動の抑制が得られ、全身的なリラクセーションが促され得ることを示している。このような生理学的変化は、入眠に至る過程で見られる現象と酷似しており、Xe-LISGによる即時的な睡眠導入の可能性を支持している。これに対して、実験2では、Xe-LISGによる睡眠の質の改善は困難であることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本課題については、あと1年間の研究期間が残されているが、現段階で本課題の目的として挙げていた「Xe-LISGによる即時的な睡眠導入効果に関する検討」と「Xe-LISGによる睡眠の質の改善に関する検討」について一定の結論が得られている。
このような状況から、本課題に残された研究期間の中で本課題の目的を達成できる可能性が高いと予想されるため、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題の今後の推進方としては大きく二点考えられる。
一点目は、Xe-LISGによる即時的な睡眠導入効果を生理学的観点から証明することである。これには、国際10-20法を用いた頭皮上脳波所見に注目した上で、睡眠段階の国際判定基準(Rechtschaffenら、1968)に基づく睡眠ステージを確認することが必要であろう。
二点目は、Xe-LISGによる通常睡眠時の睡眠の質の改善に関する可能性の検討である。今回の研究では、この点に関しては否定的な結果となったが、対象者をストレス暴露下にある者や睡眠障害を有する症例とした場合には異なる結果が得られる可能性は期待できると思われる。
今後の研究では、以上の二点の課題の解明に取り組んでいく予定である。

Causes of Carryover

研究開始初年度(平成25年度)で生じた研究の進捗状況の遅れにより、次年度(平成26年度)の研究計画を一部見直しを行った。その結果、平成26年度で購入を予定していた機器への支出が一部不要となったために次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

年度の早い段階で睡眠段階評価のための脳機能測定装置(見積額:2,093,040円)および解析ソフト・取扱説明書(見積り額:150,000円)を購入予定である。その他の残額は、学会旅費や論文投稿料に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] キセノン光の星状神経節近傍照射を用いた精神的ストレス負荷軽減の可能性に関する検討2015

    • Author(s)
      花田真澄, 吉田英樹,片石悠介,谷脇雄次, 志田航平, 嶋田有紗, 天坂興, 中村洋平, 前田貴哉, 照井駿明
    • Organizer
      第50回日本理学療法学術大会
    • Place of Presentation
      東京国際フォーラム(東京都千代田区)
    • Year and Date
      2015-06-05 – 2015-06-07
  • [Presentation] 心拍変動超低周波数成分に注目したキセノン光の星状神経節近傍照射の作用機序に関する検討2014

    • Author(s)
      前田貴哉, 吉田英樹, 照井駿明
    • Organizer
      第32回東北理学療法学術大会
    • Place of Presentation
      山形テルサ(山形県山形市)
    • Year and Date
      2014-11-29 – 2014-11-30

URL: 

Published: 2016-05-27  

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