2015 Fiscal Year Annual Research Report
キセノン光線の星状神経節近傍照射を用いた新しい睡眠改善法の開発
Project/Area Number |
25350588
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉田 英樹 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (20400145)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | キセノン光線 / 星状神経節 / 睡眠 / 脳波 / 脳血流 / 前頭前皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 目的 本研究では、キセノン光線の星状神経節近傍照射(Xe-LISG)が即時的な入眠を引き起こし得るかについて、頭皮上脳波および脳血流量の観点から検討することを目的とした。 2. 対象と方法 対象は、本研究への参加に書面による同意の得られた健常者11名とした。対象者に対して、条件1)安静仰臥位での10分間のXe-LISGを実施する条件(Xe-LISG条件)、条件2)Xe-LISGを伴わない10分間の安静仰臥位保持を行う条件(コントロール条件)の2条件を日を改めて実施した。検討項目としては、Xe-LISG条件およびコントロール条件実施中の国際10-20法に基づく前頭前皮質領域の頭皮上脳波所見(睡眠段階の国際判定基準)と、近赤外分光法を用いた前頭前皮質領域の脳血流量所見に注目した。 3. 結果と考察 Xe-LISG条件では、Xe-LISG実施中に11名中8名で頭皮上脳波所見の経時的な変化が認められた。具体的には、Xe-LISG実施前に覚醒期(stageW)を呈していた所見が、Xe-LISG実施中に軽睡眠初期(stage1)、軽睡眠期(stage2)、中等度睡眠期(stage3)のいずれかの所見に移行した者が8名おり、Xe-LISGに伴う即時的な入眠が誘発され得ることが示唆された。さらに、Xe-LISG実施中の脳血流量についても、漸減傾向が認められ、脳活動の沈静化が示唆された。一方、コントロール条件では、明らかな頭皮上脳波所見および脳血流量の変化を示した者はいなかった。以上の結果から、Xe-LISGによる即時的な入眠誘発効果が示唆され、睡眠障害を有する患者などへの臨床応用の可能性も示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Book] テキスト物理療法学 基礎と臨床2016
Author(s)
吉田英樹, 濱出茂治, 烏野大, 武村啓住, 森下勝行, 岡崎大資, 青木一治, 鈴木俊明
Total Pages
280 (166-188, 196-202)
Publisher
医歯薬出版