2015 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーション運動療法における一酸化窒素系および交感神経系の役割の解明
Project/Area Number |
25350590
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 大亮 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50466570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 修 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00361072)
上月 正博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70234698)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 長期的有酸素運動 / 高血圧 / 交感神経 / 腎臓 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動療法は心疾患や脳血管疾患に対するリハビリテーションとしてその有効性が一部明らかになっているが、その機序については不明な点が多く、個人最適化が確立していない。研究代表者は一貫して長期的有酸素運動の有効性の機序解明に取り組み、疾患モデル動物を用いて心臓や腎臓における一酸化窒素(Nitric Oxide: NO)系や酸化ストレス系の関与等を明らかにしてきた。本研究の目的は、降圧や臓器保護に重要な交感神経系に焦点をあて、NO系に加えて交感神経系の関与を解明することである。 高血圧モデルとして高血圧自然発症ラット(SHR)を用いて、腎交感神経除神経処置および長期運動介入を行い、腎機能への影響と主にNOをターゲットとしてその機序解明を試みた。 SHRを、偽手術群、除神経処置群、運動群、除神経処置+運動群の4群に分け、5週齢で除神経手術を行った。2週間後の7週齢から15週齢にかけて8週間、運動群にトレッドミル運動(20m/分、60分、5回/週)を施行した。 収縮期血圧は、開始後2週間で偽手術群に比較して他3群が低値を示し、最終8週間後では、加えて除神経処置+運動群が除神経処置群と運動群より更に低値を示し、相加降圧効果が示された。8週間後の血漿および24時間蓄尿での尿の解析結果より、尿中アルブミン排泄量は、偽手術群に比較して他3群が低値、クレアチニンクリアランス値は、偽手術群に比較して他3群が高値を示し、両介入共腎機能改善効果が示唆されたが相加効果は認めなかった。その他、血漿および腎組織のノルエピネフリン濃度、NO系、酸化ストレス系、免疫組織化学的検討は現在解析中である。 高血圧モデルでの除神経処置と長期的運動の有効性とその機序が明らかになることで、降圧および腎機能改善作用のサロゲートマーカーに用いた臨床研究での活用、腎臓を保護する運動療法のエビデンス確立への寄与が期待される。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Chronic running exercise alleviates early progression of nephropathy with upregulation of nitric oxide synthases and suppression of glycation in zucker diabetic rats.2015
Author(s)
Ito D, Cao P, Kakihana T, Sato E, Suda C, Muroya Y, Ogawa Y, Gaizun H, Ishii T, Ito O, Kohzuki M, Kiyomoto H
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Journal Title
PLOS ONE
Volume: 10
Pages: e0138037
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] 糖尿病モデルにおける長期的有酸素運動の腎レニン・アンジオテンシン系と酸化ストレス系への影響2016
Author(s)
伊藤大亮, 曹 鵬宇, 柿花隆昭, 佐藤恵美子, 胡 丐尊, 室谷嘉一, 小川佳子, 伊藤 修,上月正博, 清元秀泰
Organizer
第 8 回(P)RRフォーラム
Place of Presentation
岐阜市, 岐阜県, (岐阜大学医学部記念会館).
Year and Date
2016-03-19 – 2016-03-19
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[Presentation] Effects of aerobic exercise on oxidative stress in the kidneys of type2 diabetic rats.2016
Author(s)
Ito D, Cao P, Kakihana T, Sato E, Muroya Y, Ogawa Y, Hu G, Ishii T, Ito O, Kohzuki M, Kiyomoto H
Organizer
American Heart Association, Epidemiology and Prevention, Lifestyle and Cardiometabolic Health 2016 Scientific Sessions
Place of Presentation
Phoenix, Arizona, USA, (Hyatt Regency).
Year and Date
2016-03-01 – 2016-03-04
Int'l Joint Research
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[Presentation] Zucker diabetic fatty ラットにおける長期的運動の腎酸化ストレス系への影響2015
Author(s)
伊藤大亮, 曹 鵬宇, 柿花隆昭, 佐藤恵美子, 胡 丐尊, 室谷嘉一, 小川佳子, 伊藤 修,上月正博, 清元秀泰
Organizer
第 19 回日本心血管内分泌代謝学会
Place of Presentation
神戸市, 兵庫県, (神戸国際会議場).
Year and Date
2015-12-10 – 2015-12-12
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[Presentation] 長期的有酸素運動は酸化ストレスと糖化ストレス軽減を介して2型糖尿病ラットの糖尿病性腎症を改善する2015
Author(s)
伊藤大亮, 曹 鵬宇, 柿花隆昭, 須田千尋, 佐藤恵美子, 小川佳子, 胡 丐尊, 石井 正,伊藤 修,上月正博, 清元秀泰
Organizer
第 27 回日本糖尿病性腎症研究会
Place of Presentation
中央区, 東京都, (ベルサール汐留).
Year and Date
2015-12-05 – 2015-12-06
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[Presentation] 2型糖尿病肥満モデルラットにおける長期的運動の腎NOS蛋白発現への影響2015
Author(s)
伊藤大亮, 曹 鵬宇, 柿花隆昭, 須田千尋, 佐藤恵美子, 小川佳子, 伊藤 修, 上月正博, 清元秀泰
Organizer
第 15 回日本NO学会
Place of Presentation
豊中市, 大阪府, (千里ライフサイエンスセンター).
Year and Date
2015-06-27 – 2015-06-28
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[Presentation] 2型糖尿病肥満モデルラットにおける長期的運動の腎NO合成酵素および酸化ストレス系への影響2015
Author(s)
伊藤大亮, 曹 鵬宇, 柿花隆昭, 須田千尋, 佐藤恵美子, 小川佳子, 伊藤 修, 上月正博, 清元秀泰
Organizer
第 58 回日本腎臓学会
Place of Presentation
名古屋市, 愛知県, (名古屋国際会議場).
Year and Date
2015-06-05 – 2015-06-07
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[Presentation] 2型糖尿病肥満モデルラットにおける長期的運動の腎一酸化窒素合成酵素および脂質酸化への影響2015
Author(s)
伊藤大亮, 曹 鵬宇, 柿花隆昭, 須田千尋, 佐藤恵美子, 坂田佳子, 伊藤 修, 上月正博, 清元秀泰
Organizer
第 27回 腎と脂質研究会
Place of Presentation
金沢市, 石川県, (金沢市文化ホール).
Year and Date
2015-04-18 – 2015-04-18